経緯はこんな感じだ。同シリーズは1982年に登場して以来、圧倒的なソフト資産を武器に寡占的地位を占めた。漢字データをハード上に搭載したため、海外のパソコンに比べて日本語が扱いやすかった。ところが世界では別の進化が起こっていた。80年代の中頃にIBM互換機(現在のパソコンもこの延長線上にある)が普及したのだ。90年代に入るとIBM互換機がソフトによる日本語表示を実現。これにより安価で高性能なIBM互換機が一気に日本市場に流れ込んだ。その結果PC-9800シリーズは、97年に独自規格品の開発を停止するに至った。
現在国内のパソコン市場で、NECは主要企業の1社という位置付けだ。2007年の販売シェアはNECが20.3%、富士通が18.7%、デル(米国)が14.0%となっている(IDCジャパン調べ)。その一方、世界市場ではHP(米国)が18.8%、デルが14.9%、エイサー(台湾)が7.9%で、日本企業の存在感は薄い(IDC調べ)。ちなみに世界シェア5位の東芝は、80年代の中頃からIBM互換のラップトップを製造していた。
日本市場の高度なニーズは、情報通信産業が技術力を高めるための修練の場を与えてくれる。だがそれと同時に、世界市場との乖離を生みやすい場にもなる。日本企業は、今後、日本市場と世界市場との間を「橋渡し」できる開発姿勢を学ぶべきなのかも知れない。
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