いっぽう、日本市場も安泰とは言い切れない。仮に(是非はともかく)日本市場を海外企業から保護できた場合でも、中長期的には少子高齢化で市場規模が縮小してしまう。また新しいビジネスモデルが流入した場合、そのモデルで戦う海外企業が日本市場のルールを塗り替える可能性もある。いわば「黒船」の到来だ。

例えばアップルの携帯電話「iPhone」は「黒船」となりうる製品の1つだろう。ご存じの通りiPhoneとは、タッチパネルを介した直感的な操作性などで人気を得ているスマートフォン。去る6月4日には、ソフトバンクが「今年中に日本で販売開始する」とも発表した。

iPhoneが「黒船」になりうる理由はいくつかある。まずこの製品が、メーカー主導で開発・販売された(される)という点だ。これはキャリア主導の日本的ビジネスモデルと異なる。またこの製品は、プラットホームとしての潜在的可能性も大きい。つまりパソコンやゲーム機のように、サードパーティー製のソフトやコンテンツが数多く流通する可能性がある。これらが一定の成果を収めた場合、携帯市場の枠組みが激変する可能性すらある。

情報通信産業には、この種のガラパゴス現象がいくつか存在する。例えばカーナビ市場も、最近ガラパゴス化が指摘されている。まずこの市場で圧倒的に先行する日本では、カーステレオと一体化した高機能製品が一般化した。ところが、近年欧州ではPND(personal navigation device)と呼ばれる着脱可能な小型ナビの市場が急拡大しているというのだ。このほか非接触ICカード、デジタル放送などの分野でも、似た状況が起こっている。

すでに結末をみた例を挙げよう。パソコンの歴史に詳しい人なら「PC-9800シリーズ」を覚えていることだろう。Windowsが席捲する前、NECが販売していた独自規格パソコンのことだ。このシリーズ製品の盛衰が、ガラパゴス現象の行く末を暗示している。

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