ところが別の観点で見ると、日本は金属資源の大国に変貌する。日本には「都市鉱山」があるのだ。

都市鉱山(urban mining)とは、家電製品などの廃棄物を“鉱山”と捉え、これを有効利用しようとする概念だ。いわば金属のリサイクルとも言える。ここで言う金属には前述のレアメタルのほかに、金や銀などの貴金属や、鉄や銅などのコモンメタルも含まれる。

注目のきっかけは、廃棄物としての携帯電話が増えたことだった。携帯電話の基板には金が含まれる。含有量は1台あたり約6.84ミリグラムだ。モバイル・リサイクル・ネットワークによれば、2006年度における携帯電話の回収量は662万台。つまりこの年に回収した携帯電話の中には、約45キログラムの金が含まれていたことになる。携帯電話は資源の宝庫なのだ。

物質・材料研究機構の推計によると、日本は都市鉱山の観点で世界有数の金属資源国である。例えば日本の都市鉱山には金が4万2000トン存在する(推定)。これは世界の金埋蔵量の16%に相当する。また銀は22%、インジウムは61%、スズは11%、タンタル10%が存在する。都市鉱山の有効活用が、日本の産業にとっていかに重要なのかが分かるだろう。

ただ、都市鉱山を真の資源にするには、いくつか解決すべき課題も存在する。

第1の課題は、資源の回収率が低いことだ。いくら潜在的に資源が存在しても、回収されないのでは意味がない。例えば2006年度には携帯電話の買い換えが約2100万台存在したが、回収できた端末数は662万台に過ぎない。また家電製品の中には、回収の仕組みが存在しないジャンルも多い。

回収率を高める上で見逃してはならないのが、廃棄物の海外流出だ。近年ではリサイクルコストの差から、廃棄物が海外に流出することも多い。このことが金属資源の損失に繋がってしまう。そこで「国内での分解が簡単になるよう製品設計を行う」といった対策が必要となる。

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