だが地域住民がPTCAに参加すると、活動の深みが増す。人員の確保やノウハウの獲得などが容易になるからだ。例えば「総合的な学習の時間」(2000年より段階導入した課題学習プログラム)で講師を呼ぶ際にも、地域のネットワークが大いに役立つ。

また、PTCAという組織を考える上で切実な問題がある。全国各地で進む「PTA離れ」の問題だ。

近年はPTAの新役員を選ぼうとしても、立候補者が現れにくい状況がある。そもそもPTA活動には時間が取られることも多いし、役員ともなれば負担は甚大だ。仕事や家事を抱えながら、これらの活動に積極的にかかわれる人は少ないだろう。このような人員不足を構造的に解消するため、PTCAに期待する立場もある。

PTAのあり方を再考する試みは各所で進んでいる。

例えば文部科学省は、今年から「学校支援地域本部」事業を始める。これは冒頭で紹介した和田中の「地域本部」をモデルにした事業。学校毎に学校・保護者・地域による連携組織を設けようとする試みだ。2008年度は50億円の予算で1800の組織に補助することにしている。これはいわば政府版のPTCA支援とも言える試みだ。

民間の試みもある。例えば、父親が参加する育児サークル「おやじの会」が、全国各地で誕生している。2004年には全国組織である『おやじ日本』も創設された。これらの組織も「地域社会との関与」を行動目標に掲げている。またPTA活動への支援にも積極的だ。

PTAは学校と家庭、ひいては地域社会を結びつける大事な組織だ。だがPTA離れなどの制度疲労も目立つようになり、本来果たすべき役割を担えなくなっている。地域社会を巻き込むことで、組織を活性化できるかどうかに注目が集まっている。

もり・ひろし

新語ウォッチャー。1968年、鳥取県出身。電気通信大学を卒業後、CSK総合研究所で商品企画などを担当。1998年からフリーライターに。現在は新語・流行語を専門とした執筆活動を展開中。辞書サイト・新聞・メルマガなどで、新語を紹介する記事を執筆している。NPO法人ユナイテッド・フィーチャー・プレス(ufp)理事。

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