「PTCA」

2008年5月20日

(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

イラスト:小林商事

最近、全国各地の学校で「PTCA」という新型組織の設立が相次いでいる。これは従来のPTA(保護者と教師)にC(コミュニティー:地域住民)を加えた組織を指す。地域住民と学校とのかかわりを密にすることで、複雑になる教育問題に対処していこうとするものだ。設立の背景には、従来的なPTA活動が制度疲労を起こしている問題が横たわっている。

最近マスコミで、東京都杉並区立和田中の取り組みである「夜スペ」が大きな話題となった。これは同校の生徒を対象に実施する、有料の受験用補習のこと。補習授業は塾講師が担当する。今年1月に成績上位者を対象に開始したが、今月には対象を希望者全員に拡大することも決まった。

さて、この補習授業の実施主体が、実は学校ではなく「地域本部」であることをご存じだろうか? 同校では生徒の自主学習対策としてボランティアを使い、「ドテラ(土曜寺子屋)」と名付けた自習会も行っているが、これもまた地域本部が主催している。

地域本部とは地域住民で作る学校支援組織を指す。組織には主婦や学生などのボランティアが参加している。実は今年3月には、同校の藤原和博校長(当時)が「この組織にPTAを組み入れる」ことも発表。学校・保護者・地域住民が対等の立場で参加できる新組織が誕生した。新組織では従来のPTA(のうち保護者)を「地域本部・現役保護者部会」と位置付ける。また同校は、組織改編に併せる形で、区のPTA協議会からも脱退。これも話題になった。

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