「SWF」
(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

イラスト:小林商事
昨年ころから、国際経済の分野でSWF(sovereign wealth fund)という言葉をよく聞くようになった。これは産油国や新興国を中心に増えている投資ファンドのこと。石油収入や外貨準備などを原資として、国家に近い組織が企業に投資する仕組みだ。先進国の間では、その豊富な資金力を背景に脅威論も広がったが、サブプライム問題に際しては救世主との評価も広まった。日本でも「投資される側」「する側」の双方から、SWF関連の動きが活発化している。
SWFは直訳すると「国富ファンド」を意味する。メディアによっては国家ファンド、国家投資ファンド、政府(系)ファンドなどのように表現する場合もある。
原資となる国の資産には、大きく分けて二種類ある。1つは外貨準備。外貨準備とは、国や中央銀行が常時保持する外貨を言う。本来は為替の安定化あるいは介入などに用いるお金だ。近年は米国の貿易赤字が膨らんでいることから、その裏返しとして新興国の外貨準備高も膨れ上がることに。これがSWFの原資となっている。この種のSWFには、シンガポール政府投資公社や中国投資有限責任公司などがある。
もう1つの原資は資源収入だ。つまり石油や天然ガスなどの収入が、SWFの大きな原資になっている。とりわけ近年では石油価格の高騰が続いたことから、SWFにも莫大な資金が流れ込んでいる。この種のSWFには、アブダビ投資庁(アラブ首長国連邦)やロシア連邦安定資金などがある。
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