実はアラフォー世代が結婚の判断を保留する要因の一つに、周産期医療の発展がある。つまり、高齢出産が以前ほど危険ではなくなっているのだ。人口動態統計によると、女性が第一子を産む平均年齢は1990年には27.0歳。2005年には29.1歳まで上がっている。また35歳から44歳までの女性が産んだ子供の数は、1990年には約10万人だったが2005年には約17万人まで増えている。

アラフォー世代は独自の文化も生み出した。例えば故・岩下久美子氏が1999年に提唱した「おひとりさま」もその一つ。これは「個を確立した大人の女性」を指す言葉だった。同氏は「おひとりさま」の行動として、レストランを1人で気軽に利用する、1人旅を楽しむなどのスタイルを提案した。依存心をなくすことで個を確立して、逆に他者との良い共存関係を目指す意図があった。のちにアラフォー世代では、ご褒美消費などの「おひとりさま」的な新習慣も定着した。

これらの時代背景から、アラフォー世代が仕事・結婚・出産・趣味などの人生の選択肢を比較的自由に選び取ってきたことが分かる。言い換えるとアラフォー世代は、仕事と結婚という二者択一から逃れた最初の世代だとも言える。

だが自由の代償として、アラフォー世代は漠然とした悩みを抱えている。各メディアが興味を示すのは、この悩みの部分だ。

まず、この世代のキャリア女性は「ガラスの天井」という問題を抱えている。管理職に就いている女性が、それ以上の要職に就けないという状況を指す。制度上はそのことを全く明記しないのに、運用で差別されるため「ガラスの天井」と表現する。厚労省の賃金構造基本統計調査によれば、民間企業で部長職に就く女性の割合は2005年時点で2.8%に過ぎない。この限界を見越し、職を辞して結婚や出産に踏み切る女性もいる。

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