「エネルギー原単位」

(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

イラスト:小林商事

温暖化対策の世界では、現在ポスト京都(2013年以降の枠組み)に向けた議論が活発化している。そんな中、日本の産業界において「エネルギー原単位を指標にCO2の削減を進めるべき」との提言が浮上している。CO2の排出量を総量ではなく「活動あたりの排出量」で規制する考え方だ。この方法だと排出規制が経済の発展を阻害しないため、発展途上国も納得できる削減目標を設定できるという。だがその一方で、この指標は「目標として甘すぎる」とする批判もある。

「一定の活動を行うのに必要なエネルギー量」なら日本は世界最高級

エネルギー原単位とは省エネ効率を比較するための指標だ。まず原単位とは「一定の活動を行うのに必要な、何かの量」を指す。したがってエネルギー原単位とは「一定の活動を行うのに必要なエネルギー量」を指すことになる。例えば、車1台分の生産に必要なエネルギーなどがこれに当たる。この値が小さいほど、環境負荷も小さいと考えられる。

これに似た概念に、CO2排出原単位がある。これは「一定の活動を行う際に排出したCO2の量」を指す。この指標を用いると、より具体的に環境負荷の大小を測ることが可能だ。

実はエネルギー原単位の観点で見た日本の省エネ水準は、世界最高レベルにある。経済産業省は2007年4月「エネルギー効率の世界比較」と題する資料を発表。各国の2004年におけるエネルギー原単位(単位GDP当たりの一次エネルギー供給量)を比較した。これによると日本を1とした場合の指標は、世界平均で3.0だった。国別に見るとEUは1.9、米国は2.0、中国は8.7、インドは9.1、ロシアは18.0となっている。

このエネルギー原単位を、温暖化対策の「主要な目安」にしようとする動きがある。この目安を用いれば、生産量やGDPの発展を阻害することなく、CO2の排出を抑制できるからだ。

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