貸し手にも借り手にもメリット

ソーシャルレンディングの仕組みは、貸し手と借り手の双方に新しいメリットをもたらす。まずソーシャルレンディングは、一つの融資事案について「複数人の入札」を認めている。これは融資額の小口化につながる。貸し手は、リスクを限定することが可能になる。また銀行を仲介しない融資なので中間マージンを低く抑えられる。したがって借り手はより低い利息を、貸し手はより高い利回りを享受できる。

米国のサービス「プロスパー」の場合、利息平均は、借り手の40%を占めるプライム層(優良者層)で9.91%、借り手の5%に相当するサブプライム層(信用度の低い層)で28.39%だった。一方貸し手の利回りは平均で8.19%となっている。

借り主の信用力を測る「グループ」の仕組み

さてこのサービスでは、借り手の信用力をどう判断しているのだろうか?

米国のサービスでは、既存のクレジットスコアの仕組みを利用することが基本になる。クレジットスコアとは、信用調査会社が個人に与える信用評価点のこと。クレジットカードの利用実績に応じて、この評価点が上下する。米国では大手3業者がスコアをデータベース化しているので、ソーシャルレンディングでもこの情報を利用する。この情報を格付けなどの形で貸し手に開示する。

だが信用力の判断方法はこれだけではない。

特に面白いのは、一部のサービスに存在する「グループ」の仕組みだろう。グループは複数の借り手が参加できるコミュニティーを指す。このグループそのものにも信用度を設定している。借り手がグループのメンバーになると、その人の信用度が高くなる。これはメンバー同士の監視圧力が強まるためだ。ところがメンバーが焦げ付きを出した場合は、グループそのものの信用度も落ちてしまう(債務は連帯しない)。なおリーダーは、グループの信用度に応じた報奨金を受け取ることもできる。

ソーシャルレンディングの貸し倒れ率は想像以上に小さいようだ。例えば大手サービスのゾーパの場合、貸し倒れ率は0.2%未満とされる(日本経済新聞2007年10月28日)。ちなみに日本の消費者金融の貸し倒れ率は6.79%だ(2006年3月期における大手5社の貸し倒れ償却率)。

前のページ 1|2|3 次のページ

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

「時代を読む新語辞典」 バックナンバー 一覧ページへ

ビジネスABC > 時代を読む新語辞典
RSSで最新記事を読む

PR