「ソーシャルレンディング」

2008年3月25日

(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

イラスト:小林商事

欧米を中心に、金融版のネットオークション、あるいはSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)とも呼ぶべき新サービス「ソーシャルレンディング」の市場が急成長している。インターネットを通じて、小口融資の借り手と貸し手を結びつけるサービスだ。ネット取引であるためコストが低く、貸主と借主の双方にメリットとなる。これが従来的な個人向け融資を補完する手法として注目されるようになった。

ソーシャルレンディングは登場まもない概念なので、さまざまな呼称が乱立している。命名法は大きく2系統に分かれる。まずこのサービスが個人間融資であることに着目する場合はソーシャルレンディング、P2P金融(融資)などを呼ぶ。P2Pはpeer to peer(対等の結びつき)やperson to person(人と人)を意味する。一方、同サービスが競売であることに注目する場合は、金融オークションと呼ぶ。

ネットオークションと同様の仕組みで、貸し主を決める

ソーシャルレンディングの仕組みはネットオークションに似ている。まず借り手が融資の希望条件を提示する。例えば30万円・3年返済・利息12%との条件で“出品”する。これに応じて貸し手が融資条件を入札。例えばAさんは20万円で9%、Bさんは10万円で9.25%、Cさんは15万円で9.5%と入札する。するとシステムが、相対的に金利が低いAさんとBさんを選んで落札とする。資金の収受は銀行口座を通じて行う。ソーシャルレンディングの運用会社は貸借双方から手数料を得る。

この入札にあたって、借り手は融資の希望理由を明確に書き込む必要がある。貸し手は、希望理由を順次閲覧して、融資先を選び出すからだ。この手順もネットオークションにおける出品・入札の手順に似ている。あるソーシャルレンディングへの“出品リスト”を閲覧すると「クレジットカードの借金を返済したいから」とか「祖母の葬儀費用を捻出したいから」などの理由が書かれている。なお“出品リスト”には希望理由のほか、当事者の写真、収支状況、信用度の格付け(サイトが付与)などの情報も添えてある。ページの雰囲気は、まるでミクシィの会員紹介ページのようだ。

前のページ 1|2|3 次のページ

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

「時代を読む新語辞典」 バックナンバー 一覧ページへ

ビジネスABC > 時代を読む新語辞典
RSSで最新記事を読む

PR