「ニワトリ症候群」

(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

イラスト:小林商事

好きな料理しか食べなかったり、独りで食事したり、朝食を抜いてしまうような子が、最近増えているという。このような由々しい食習慣に、「ニワトリ症候群」という造語が付けられた。子どもの食習慣の乱れは、健康上の問題を引き起こすだけでなく、生活習慣全般への影響も引き起こしかねない。

子どもの食習慣の乱れを表す言葉はいくつかある。

今回テーマとした「ニワトリ症候群」もその一つ。この言葉は、子どもの間に広まっている孤食・欠食・個食・固食(または粉食)という4つの食習慣を総称する。以上の頭文字をつなぎ合わせるとコケッココ(孤欠個固)となる。教育臨床学者の中井孝章教授が、朝日新聞の記事(2007年2月12日)で「現在の子どもたちの食生活は『ニワトリ症候群』と言われます」と述べたことから注目されるようになった。

「ニワトリ症候群」とは別に「こ食」という表現もある。こちらは孤食・個食・固食・小食・粉食という5つの食習慣を総称する。ただし発言者によっては、これ以外の食習慣を含める場合もある。食育について積極的な発言を行っている料理評論家の服部幸應氏も、この表現で食生活の乱れを指摘している。

独りで食べる、朝食を抜く…

では孤食や個食などの語は、具体的にはどのような食習慣を表しているのだろうか?

まず孤食は、子どもが独りで食事をとることを言う。厚生労働省は『平成17年 国民健康・栄養調査結果』(2007年5月発表)で次のように報告している。「朝食を子どもだけで食べる」とした回答者の割合は、小学生のうち40.9%存在した。この割合は過去の調査結果に比べて増えているという。ちなみに1988年における割合は26.8%だった。

次に欠食とは、子どもが朝食を抜いてしまうことを言う。前述の厚労省の調査によれば、「朝食をまったく食べない」と回答した人が、小中学生で1.5%、高校生で9.6%いた。

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