すべて地元産が良いとは言えない…

もちろん食料の需給を考える上で、なんでも地元産が良いと考えるのは拙速に過ぎる。

例えば環境の観点から見た場合、地元産の食品が必ずしも環境負荷の低減につながらないケースがある。旬ではない時期にビニールハウスで生産する農産物がこれに当たる。また経済の観点では、地元産食品の優遇が自由貿易の否定につながる可能性がある。食料品の多くを輸入に頼る日本は、望む望まないは別として、自由貿易の大きな受益者でもある。そして何より地元産にこだわりすぎると、限られた種類の農産物で食生活を組み立てなければならない。現代日本が享受している豊かな食生活はおそらく維持できない。

だがロカヴォアたちの活動は、以上のような問題を再考するための良い契機になるだろう。食の問題は、環境・健康・経済・政治などの分野にまたがり、複雑に絡み合っている。中国産餃子中毒事件が混迷の度合いを深めていることから、食品問題の複雑さに改めて気づいた人も多いだろう。 そこで、まずは「日ごろ接している食品が地元産であるかどうか」を意識してみるのはいかがだろうか? すると、そこを出発点にして食に対する理解が深まるかもしれない。

もり・ひろし

新語ウォッチャー。1968年、鳥取県出身。電気通信大学を卒業後、CSK総合研究所で商品企画などを担当。1998年からフリーライターに。現在は新語・流行語を専門とした執筆活動を展開中。辞書サイト・新聞・メルマガなどで、新語を紹介する記事を執筆している。NPO法人ユナイテッド・フィーチャー・プレス(ufp)理事。

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