「ロカヴォア」

2008年2月26日

(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

イラスト:小林商事

米国でロカヴォア(locavore)という新語が流行している。地元産の食品を食べる人、という意味だ。地元産の食品を選ぶ行為には、様々な意義があるという。例えば、食品輸送に伴う環境負荷を減らせるし、地元農家への支援にもつながる。これはスローフードや地産地消に近い考え方だ。どうやら、食生活において「地元」に注目する概念が、世界各地で同時多発的に発生しているようだ。

この概念は、2005年にサンフランシスコで行われたイベント『世界環境デー』で誕生した。同イベントに参加したカリフォルニア在住の女性4人が、自らをロカヴォアズと称し、「環境保護などのため地元産の食品を食べよう」と呼びかけたのだ。ここで言う地元産の食品とは、自身の居住地から100マイル(約160キロメートル)以内で生産している農水産物や加工品を指す。

ロカヴォアという新語は、グループのメンバーであり、料理人、作家でもあるジェシカ・プレンティス氏がつくったもの。地元を意味するローカル(local)と、接尾語のヴォア(-vore)を合成した言葉だ。接尾語のヴォアは肉食動物(carnivore)や草食動物(herbivore)から引用したという。したがってロカヴォアを強引に訳すと、地元食動物、地元食好き、ぐらいになるかもしれない。

当初は固有名詞だったロカヴォアが、そのうち一般名詞としても通用するようになった。既に米国で盛り上がっていたローカルフード運動において、この言葉が分かりやすいうたい文句となったからだ。米国の有名辞書ニュー・オックスフォード・アメリカン・ディクショナリーは、2007年版の「今年の言葉」としてロカヴォアを挙げた。

ロカヴォアがもたらす3つの効果

地元産の食品を選ぶ行為には、様々な意義がある。

第1にこの行為は、環境負荷の低減につながる。食品輸送に伴う二酸化炭素の排出を減らせるからだ。第2に、健康への配慮につながる。地元産かつ旬の食品は、新鮮であり栄養価も損なわれていない。また輸送経路が短いことから、偽装などが起こりにくく安全性も担保しやすい。そして第3にこの行為は、社会貢献につながる。地元農家を支援できるし、輸入元で発生している様々な弊害(単一栽培に伴う砂漠化、経済の不安定化など)も防げる。

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