クレドが機能する環境を整える努力が必要

クレドを有効に機能させるためには、努力や投資が必要だ。例えばJ&Jでは、従業員向けのアンケートや、経営者も交えた対話集会を定期的に実施している。これらを通じて「従業員がクレドに従っているか」「クレドが現場の業務に合っているか」などを検証する。

また権限委譲も不可欠だ。クレドが求める自主行動を実現するには、それなりの権限も必要となるからだ。例えばJ&Jの場合、同社が「ファミリー会社」と呼ぶグループ企業において、分社化権限化経営という手法を実践している。またリッツ・カールトンは全従業員に1日あたり2000ドルの決裁権を与えている。

近年、日本企業の中には、CSR(企業の社会的責任)やコンプライアンス(法令遵守)を担当する専門部署を設けるところが多い。だが、そのような試みがうまく機能しないことも多いようだ。企業は、自身の信条をどのように定義して、それをどのように実践すればよいのだろうか。クレドにはそのヒントが隠されているかもしれない。

(なお本稿の執筆にあたって、井上富紀子、リコ・ドゥブランク共著『リッツ・カールトン20の秘密』、および片山修著『大切なことはすべてクレドーが教えてくれた』などを参考にした)

もり・ひろし

新語ウォッチャー。1968年、鳥取県出身。電気通信大学を卒業後、CSK総合研究所で商品企画などを担当。1998年からフリーライターに。現在は新語・流行語を専門とした執筆活動を展開中。辞書サイト・新聞・メルマガなどで、新語を紹介する記事を執筆している。NPO法人ユナイテッド・フィーチャー・プレス(ufp)理事。

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