「エスプーマ」

(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

世界の料理界で、あらゆる食材を泡状に加工する調理法「エスプーマ」が流行している。専用の容器に食材を入れて、これにガスを混入すると、まるで石鹸の泡のような変わった食材が出来上がるのだ。実は近年、料理界ではこのような新調理法が次々と誕生している。そして、そのような調理法を取り入れる有名レストランも増えている。さらに言えば、「調理と科学の融合」という不思議なトレンドも進行中だという。

メレンゲだけでなく、なんでも泡状にできる

イラスト:小林商事

泡状の食材とは一体どんなものだろう? ふつう、食べられる泡と言われて思い出すのは、メレンゲ(泡立てた卵白)や生クリームあたりではないだろうか。だがエスプーマの場合、卵白や生クリーム以外の食材も、泡状に加工できる。例えばジュースや醤油などの液体や、豆腐やフォアグラなどの固体も、泡状に加工できるのだ。出来上がった泡は、例えば料理のソースや、カクテルのトッピングなどに利用する。こうすることで、素材の味を損なうことなく、軽い口当たりとボリューム感を楽しめる。

泡の作り方自体は簡単だ。まず道具としてソーダサイフォン状の容器(液体と気体を混ぜるための水筒)とガスボンベを用意する。次に液体状に加工した食材を容器の中に入れ、フタで密閉する。そしてフタの専用口とガスボンベをつなぎ、容器内にガスを注入する。容器とガスボンベを切り離した後に容器全体を振ると、容器内に泡が出来上がる。最後にノズルを通して泡を取り出せば出来上がりだ。ただし食材によって加工のしやすさは異なる。

ちなみにエスプーマ(espuma)とは、もともとスペイン語で「泡」を意味する。これが料理界では「食材に気体を混ぜて泡を作り出す調理法」を意味するようになった。このほか、そのようにしてできた「泡状の食材」や、その泡をつくり出すための「器具」を指す場合もある。

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