ブームの継続は、和菓子における「塩」のような存在感を持てるかがカギ

塩スイーツのブームが今年以降も持続するかどうかは未知数だ。だが一方で「日本では塩スイーツが定番化する」と分析する人もいる。そのような人が根拠として挙げるのが、和菓子における「塩」の存在感だ。和菓子の世界では、塩羊羹、塩大福、塩飴などの伝統的菓子が数多く存在する。つまり日本人の味覚は、昔から塩と菓子の相性を知っていたことになる。ここに塩スイーツの可能性を見ている。

また国内の塩業界が、塩スイーツの後ろ盾になる可能性もある。実はここ数年、国内市場では、塩の需要・供給とも微減傾向が続いている。例えば食品工業用の塩消費量は2004年度が91万トンで、2006年度は87万トンだった(日本塩工業会の統計)。消費者の減塩傾向、原油高によるコスト圧力など、逆風の話題も多い。そこで業界では付加価値の高い市場の創出を狙っている。塩スイーツは市場規模こそ小さいが、市場拡大の象徴となりうる。特に規模の小さい生産業者にとってはチャンスになる。

あとは若い女性中心だった消費者層が、他の層にも広がるかどうかがポイントだろう。塩スイーツを好む層は、これまで20~30代の女性が中心だった。だが明治製菓のチョコレート『チョコライフ塩プラリネ』(2007年9月発売)では、主なターゲットを「50歳代のシニア世代」に設定している。このような試みが成果を上げれば、塩スイーツは定番の地位に一歩近づくことになるだろう。

もり・ひろし

新語ウォッチャー。1968年、鳥取県出身。電気通信大学を卒業後、CSK総合研究所で商品企画などを担当。1998年からフリーライターに。現在は新語・流行語を専門とした執筆活動を展開中。辞書サイト・新聞・メルマガなどで、新語を紹介する記事を執筆している。NPO法人ユナイテッド・フィーチャー・プレス(ufp)理事。

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