電話番号の登録を変えてしまうと
アポ電の手法には、被害者の思いこみを誘発する仕掛けが隠れている。例えば被害者が電話番号の登録を変えてしまうと、加害者が2度目の電話をしたとき、画面には身内の名前が表示される。事実確認のために電話を折り返しても、加害者のもとに電話がかかる。運良く声が違うことを疑っても「電話機が変わったせいではないか」と言われる。そして2度目の電話までに時間ができるので、心の油断も生じてしまう。これらのすべてが巧妙なわなとなる。
アポ電は、当初は東京都内での犯罪が目立ったが、発生地域は全国化した。アポ電に限った統計情報は少ないが、2006年4月から7月までの4カ月間に発生した98万円詐欺(注:加害者は金融機関のチェックを逃れる目的で100万円以下を振り込ませることが多い)のうち、7割近くがアポ電の手法によるものだった(共同通信2006年9月27日)。
アポ電被害を減らす試みが始まった
このような手法の高度化もあり、オレオレ詐欺の発生件数は横ばいの状況が続いている。警察庁によると最近3年の認知件数(未達含む)は、2005年が6854件、2006年が7093件、2007年が5121件(10月まで)となっている。
そこでアポ電被害を避けるための試みが各地で始まった。NHKの『難問解決 ご近所の底力』(2007年12月9日放送)は、数々の対策を紹介した。例えば広島県警察本部は、犯罪の最新手口をパンフレットに記載して、住民に配布している。また同本部では、高齢者の子供に対して「モシカレター(最新の連絡先を記した手紙)を親に送ろう」と呼びかけている。平素から親子の連絡を密にすることで、犯罪抑止につなげようとするものだ。
もちろん一般市民ができる対策もある。本連載の「還付金詐欺」の回でも紹介した通り、怪しい電話を受けたら「慌てないこと」、「すぐにお金を振り込まないこと」、「事実関係を確認すること」が肝心だ。
このうちアポ電で特に重要なのが、事実関係の確認だ。最初の電話がかかった後に、変更後ではなく変更前の番号に電話する。これを間違えると、わざわざ加害者に確認の電話をかけることになる。
オレオレ詐欺(2回目の電話)の手法は、高度化の一途を辿っている。例えば「交通事故を起こし妊婦をひいてしまった」という設定の場合、電話の向こう側でわざわざサイレンの音や泣き叫ぶ妊婦の声などを流すこともあるという。このような最新手法についても、普段から情報収集を欠かさないようにしたい。
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