ネットカフェ難民 〜住居からも切り捨てられる人々〜
格差社会を象徴する語としては「ネットカフェ難民」も注目すべきだろう。ネットカフェ難民とは、何らかの理由で住む場所を失ってしまい、日雇い派遣などの仕事をこなしながら、ネットカフェや漫画喫茶などで寝泊まりするような人々を表す。これは前述したワーキングプアの一形態、あるいはホームレスの新形態とも言える。
この語をつくったのは、日本テレビのドキュメンタリー番組『ネットカフェ難民〜漂流する貧困者たち〜』(2007年1月29日放送)だった。4月27日には、市民団体による実態調査の結果を時事通信が報道。全国のネットカフェ34店舗のうち76%に、長期滞在利用客がいることが判明したという。このころからブログ界での言及数も増加。同語は『ユーキャン新語・流行語大賞』(関連記事)のトップテンも受賞している。
なお筆者が指摘するまでもなく、近年は「難民」を用いた複合語が数多く登場している。産科医の不足に悩む出産難民(お産難民)、医療療養病床の削減政策のため居場所を失う介護難民、地デジへの移行政策によってテレビ視聴の機会が奪われてしまう地デジ難民などがその好例だろう。いずれも弱者が切り捨てられている点で共通している。
氷河期世代 〜労働市場から取り残された世代〜
バブル崩壊後の1993年から2005年にかけて、日本の労働市場では有効求人倍率が1.0を下回る時期が続いた。俗に言う就職氷河期だ。この期間に就職活動を行った世代(1970年代から80年代初頭に生まれた人)のことを「氷河期世代」と表現するようになった。この世代に多い非正規雇用者は、企業業績が回復しつつある現在においても、正社員化への道が閉ざされたままでいる。今年は新聞などのメディアで、この問題に関する論評が目立った。
この概念の興味深いところは、様々な論客やメディアが独自の命名を試みている点にある。例えば評論家の香山リカ氏は「貧乏クジ世代」との呼称を同名の著書(2005年12月)で示した。また朝日新聞は2007年1月に「ロストジェネレーション」との語を用いて、この問題を特集記事にしている。
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