行政の対応が進む

咳やクシャミに関するマナーを広げるため、行政も対応を進めている。米疾病対策センター(CDC)は、2004年11月から、咳エチケット(cough etiquette)の啓蒙を始めた。当時はSARS(重症急性呼吸器症候群)の世界的流行が問題になっていた時期だった。このためインフルエンザを含めた呼吸器感染症を予防する目的で、咳エチケットの啓蒙に乗り出したのだ。

いっぽう日本でも、厚生労働省が『平成19年度・今冬のインフルエンザ総合対策について』と題する資料を発表。「ひろげるなインフルエンザ、ひろげよう咳エチケット」との標語を掲げた。同省ではインフルエンザ対策の一つとして、咳エチケットの啓蒙を位置付けた。

厚生労働省はさらに、咳エチケットの重要性を訴えるポスターを作成。Web上でそのPDFを公開している。また都道府県などはこのポスターを、医療機関や学校、企業などに配布している。

公共施設や医療機関でも、咳エチケットに関する取り組みが広がっている。例えば公共機関への来訪者が咳をしている場合、その人にマスクを提供する試みがある。また医療機関の場合、待合室で患者同士の距離が短くなりすぎないよう配慮することもある。

研究者らは新型インフルエンザへの注意を促している

ここ数年、感染症研究者たちは「新型インフルエンザ」の危険性について注意を促している。通常はヒトへ感染しない鳥インフルエンザが突然変異を起こして、ヒトに感染するようになる可能性を指摘しているのだ。ヒトは新型インフルエンザへの免疫を持たないため、これが世界的流行(パンデミック)につながる可能性もある。過去に発生した新型インフルエンザの中には、1918年のスペイン風邪のように、全世界で4000万人もの死者を出したものもある。

咳エチケットは、新型インフルエンザを含めた呼吸器感染症の予防に広く役立つ。日ごろからこのような習慣を欠かさないように心がけたい。

もり・ひろし

新語ウォッチャー。1968年、鳥取県出身。電気通信大学を卒業後、CSK総合研究所で商品企画などを担当。1998年からフリーライターに。現在は新語・流行語を専門とした執筆活動を展開中。辞書サイト・新聞・メルマガなどで、新語を紹介する記事を執筆している。NPO法人ユナイテッド・フィーチャー・プレス(ufp)理事。

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