CPUの省電力化、液体冷却、空調設備の電力制御…
そこで米国を中心に、グリーンITというキーワードが台頭してきた。これは情報通信機器の利用において、環境保護に対してこれまで以上に配慮しようとする考え方だ。例えば米国の調査会社ガートナーは、今年10月9日にレポートを発表。今後注目すべき技術トレンドの一つとして、グリーンITを挙げた。同レポートは「二酸化炭素を大量排出するデータセンターが、行政による規制を受ける可能性」まで指摘している。
省電力化のための様々な技術が登場している。例えばCPUの省電力化、液体冷却、サーバーの統合、空調設備の電力制御(情報処理量に応じて空調の強弱を調節する)などの技術がある。これに関連して日立製作所は9月27日、データセンターの消費電力量を今後5年間で50%削減するプロジェクト「クールセンター50」を発表した。同様の動きは他企業でも起こっている。
省電力技術の中には、最新の技術トレンドを反映したものもある。例えばシン・プロビジョニング(thin provisioning)と呼ばれる技術もそのひとつ。ストレージ(記憶媒体)の無駄遣いを無くすために「仮想化技術」を利用するものだ。この仕組みを導入することでストレージの稼働率が向上し、無駄なストレージを導入しなくて済むようになる。ひいては省電力化にもつながるというわけだ。
グリーンITを業界全体で推進しようとする動きもある。例えば米国のIT企業は、今年2月に非営利団体『ザ・グリーン・グリッド』を設立した。同団体は、省電力技術の開発・応用を推進するという。
家庭や企業横断システムもグリーンITの対象
もちろん、グリーンITの目指すべき方向性は「データセンターの省電力化」だけではない。オフィスにおけるIT環境の省電力化もテーマとなるし、IT機器の無害化(有害な化学物質の低減)もテーマとなる。情報システムにおいて代替エネルギー(グリーン電力証書システム)を積極利用する方向性もある。
またIT技術を利用することで産業構造を変革して、よりエネルギー効率の良い仕組みをつくるという包括的な試みもあり得るだろう。サプライチェーンマネジメントによる製造・物流・小売の効率化はこの1例だ。
もっとも米国では既に「グリーンITはベンダーやメーカーのセールストークに過ぎないのでは?」とか「グリーンITはハイプ(誇大宣伝)ではないのか?」などの冷ややかな声も聞こえている。このような声にどのようにして応えていくのか。IT業界の取り組みに注目が集まっている。
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