「グリーンIT」

2007年10月16日

(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

情報通信技術の利用拡大に伴って急増する電力消費が、環境保護の観点から大きな問題になっている。とりわけ近年、巨大化が進んでいるデータセンターで膨れあがる消費電力への対応が喫緊のテーマとなっている。そこで米国を中心に、環境保護に配慮した情報通信技術を指す「グリーンIT」という概念が台頭した。IT業界は現在、この言葉をスローガンにして、データセンターを中心に省電力化に取り組んでいる。

2025年のIT機器の消費電力量は2006年の5倍に

近年、IT機器が消費する電力量の急増を懸念する声が高まっている。ITproの記事「『グリーンITを積極的に推進する』と経産省が宣言」は次のように伝える。経済産業省が主催する研究会の調べによると、2006年におけるIT機器の国内の消費電力量は500億キロワット時。これが2025年には2400億キロワット時に膨れあがる可能性がある。これは国内の総消費電力量の15〜20%に相当する(関連記事)。

こうした中、IT業界は、データセンターの消費電力を深刻視している。データセンターとはサーバーやルーターなどの機器を集約した施設のこと。今や企業の情報システムに欠かせない重要施設だ。データセンターでさばく情報量の増加に伴い、サーバー数が増加。これらを冷却するための空調設備を増強する必要が生じ、これも多大な電力を消費する。膨れあがった電力を安定供給するため、強力なUPS(無停電電源装置)が必要になる。このUPSも電気を食うという悪循環が起こっている。CPUの省電力化も進むがそれも間に合わない。

さらに、データセンターは、巨大化・集約化のトレンドにある。高度化するWebサービス(動画配信やWebアプリケーションなど)を支えるために、より多数のサーバーがが必要となるからだ。そこで米国ではメガセンターと呼ばれるデータセンター(100万平方フィート級の敷地面積を持つ)の建設が進んでいる。そしてメガセンターにおいては、さらに大きな電力消費が問題となる。

データセンターにおける消費電力の急増ぶりを指摘するデータがある。米国の環境保険庁(EPA)が今年8月3日に発表したレポートによると、2006年における米国内データセンターの消費電力量は610億キロワット時(米国内の総消費電力量の約1.5%に当たる)で、2001年に比べてほぼ倍増したという。

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