多人数対応や笑顔検出など、高機能を競う

現在、顔検出機能の開発テーマは高機能化や独自化に移行しつつある。

例えば多人数対応がその一つ。顔検出機能で認識できる人物の数は、従来は多くても3人程度だった。だが最新の機種の中には、10人以上に対応するものも現れている。例えばニコンのCOOLPIXシリーズは、最大12人の顔検出に対応している。検出人数が増えれば、全体のバランスを考えた調整も可能になる。

また、特定の顔を検出する機能も登場している。カシオのEXILIMシリーズでは、家族などの特定人物を、あらかじめ登録する機能を装備している。事前登録した顔を写真撮影の際に見つけると、自動的にピントや露出を合わせる。

さらに変わったところでは、笑顔検出という機能も登場した。ソニーのCyber-shotシリーズは『スマイルショット』と呼ぶ機能を装備。被写体となる人物が笑った瞬間に、自動でシャッターを切る。この他にも各社が「顔の追跡機能の強化」「赤目の自動補正」「美肌モード」など様々な差別化を図りつつある。

顔を綺麗に写すことは、写真文化における近年のトレンドでもある。例えばプリントシール機(いわゆるプリクラ)の世界では、すでに美肌機能が基本機能として定着している。またセイコーエプソンのプリンター「カラリオ」は、最新機種において小顔・美白機能を装備した。デジカメにおける顔検出の流行は、このトレンドに沿ったものでもある。

コンパクト機市場は、さらなる付加価値が求められる

現在デジカメ界では、市場の二分化が進んでいる。デジタル一眼とコンパクト機の市場だ。このうちデジタル一眼の2007年における出荷見通し(輸出含む)は約710万台で前年比34%増の伸び。いっぽうコンパクト機は約8652万台で、前年比17%増の伸びとなっている(カメラ映像機器工業会の資料より)。大まかな市場傾向としては、コンパクト機における「伸び率の鈍化傾向」が強い。コンパクト機市場では、顔検出に続くさらに新しい付加価値も求められている。

もり・ひろし

新語ウォッチャー。1968年、鳥取県出身。電気通信大学を卒業後、CSK総合研究所で商品企画などを担当。1998年からフリーライターに。現在は新語・流行語を専門とした執筆活動を展開中。辞書サイト・新聞・メルマガなどで、新語を紹介する記事を執筆している。NPO法人ユナイテッド・フィーチャー・プレス(ufp)理事。

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