「顔検出」

2007年10月9日

(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

今秋のコンパクトデジカメ商戦で、ほぼ全てのメーカーが「顔検出」と呼ばれる機能に対応した。とかく苦労しがちな人物撮影を、容易にする機能だ。しかも、顔検出の機能は非常に高度化している。各社のテーマは、多人数対応や笑顔検出による差別化に移行している。出荷量の鈍化が懸念されるコンパクト機市場では、このような付加価値の向上が大きな課題となっている。

一般ユーザーには難しい人物撮影

一般ユーザーがデジカメで撮影する際、もっとも苦労するのがピントと露出の調整だろう。例えば人物を撮影する際、人物以外の何かにピントが合ってしまうことがある。従来のオートフォーカス機能は、被写体が人物であるか物であるかを判断しないからだ。また人物に正しくピントを合わせた場合でも、夜間や逆光などの理由で顔が暗く映ってしまうことがある。

デジカメの利用シーンにおいて、人物撮影の占める割合は非常に大きい。デジカメで人物を上手く撮影できないことは、一般ユーザーにとって由々しい問題でもある。しかしながら、煩雑な操作はできるだけ避けたいところ。実際、コンパクト機の利用者の中には、設定をオート撮影にしたままの人が多い。

このような問題が、顔検出機能によって解決できる。利用方法は簡単だ。まず設定で顔検出機能をオンにしておく。後は撮影のとき「ただ人物にカメラを向ける」だけでよい。構図などは特に気にしなくてもいい。カメラは、顔を検出すると液晶画面の該当個所に四角い枠を表示する(オートフォーカス機能の表示に似ている)。この状態でシャッターを切れば、人物を綺麗に撮影できる。

顔を捕捉し、最適撮影

この間カメラは、内部で次のような処理を行っている。まず前提として、カメラは内部に、顔の特徴(形、顔の色、目や鼻などの特徴)を記録している。そして写真撮影の際、その特徴と合致する被写体を「顔」と判断する。そしてその顔にピントを合わせ、さらに顔の色を適切に表現できるよう露出を調整する。

コンパクト機で顔検出機能が一般化したのは、ここ2年のことだ。まず2005年にニコンがCOOLPIXシリーズで同機能を搭載。これを追って、各メーカーが対応を進めた。そして今秋の商戦では、ほぼ全てのメーカーが同機能を搭載するに至った。コンパクト機のトレンドには、これまで「高画素数」や「手ぶれ補正」があったが、これに「顔検出」も加わったことになる。

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