登録すれば、前日夕方にお知らせが届く

そこで一部の地方自治体が、住民に対してゴミ収集日をメールで通知するサービスを始めた。携帯電話の世帯普及率が高まったことも背景にある、例えば兵庫県宝塚市は、今年9月3日に『ごみの日メール』と称するサービスを始めている。このほかにも北海道森町(もりまち)、埼玉県日高市、東京都品川区、石川県金沢市、大阪府泉南市、兵庫県宝塚市などが同様のサービスを行っている(一部、試験運用)。サービスの名称は地方自治体ごとに異なる。

利用希望者は、地方自治体のWebサイトにアクセスし、所定の手順に従ってメールアドレスと居住地域を登録すればよい。情報の性格上、携帯電話向けのサービスであることが多いが、パソコン向けのサービスもある。また詳細設定として、配信を希望する時間帯や、通知を希望するゴミの種類を選べる場合もある。多くの場合、名前を登録する必要はない。登録が完了すると、ゴミ出しの前日夕方または当日朝に「その日出すべきゴミの種類」を記した電子メールが届く。

行政サービスの充実に電子メールを生かす

実は地方行政において、電子メールの利用は一種のトレンドになっている。例えば最近普及が進んでいるサービスの中に「安心メール」がある。これは地方自治体や警察などが、地域住民に対して不審者情報を配信するメールのことだ。地域内に出現した不審者(声かけ・つきまといなどを行った人)について、その日時・場所・状況などを知らせる。長野県警が9月3日に「不審者の容姿を有名歌手に例えた」メールを配信してしまいそれを詫びた出来事も、後日話題になった。

また地方自治体が「防災メール」を配信する試みもある。例えば気象警報(大雨・洪水・暴風・大雪など)の発令情報や解除情報、雨量や河川水位が基準値を超えた際の警報情報、地震の発生状況(震源地や各地の震度など)、災害の際に発表する避難指示や勧告などの情報を配信する。メール送信システムの動作を確認する意味で、定期的に天気予報を配信するシステムもある。

ゴミの日メールを含めたこのような行政メールには、問題点も存在する。例えば、サービスによっては登録者が増えないものもある。広報活動が不十分であるためだ。また高齢者には電子メールの操作が難しいという問題もある。速報性を必要とする情報の場合、電子メールの遅延も問題になるだろう。だが、いずれのサービスとも利用者からの評価はおおむね好評だ。複雑化する行政サービスをスマートにさばく手段として、今後、電子メールがますます活躍することになるかもしれない。

もり・ひろし

新語ウォッチャー。1968年、鳥取県出身。電気通信大学を卒業後、CSK総合研究所で商品企画などを担当。1998年からフリーライターに。現在は新語・流行語を専門とした執筆活動を展開中。辞書サイト・新聞・メルマガなどで、新語を紹介する記事を執筆している。NPO法人ユナイテッド・フィーチャー・プレス(ufp)理事。

前のページ 1|2 次のページ

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

「時代を読む新語辞典」 バックナンバー 一覧ページへ

ビジネスABC > 時代を読む新語辞典
RSSで最新記事を読む

PR