「ワードサラダ」

2007年7月17日

(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

最近ネット上で、支離滅裂な文章を掲載するブログをよく見かけるようになった。「ハンカチ王子が上がるとイソフラボンが投げ放題になるが、そのまま家系ラーメンを飛び込んだ」といった文章だ。このようなデタラメ文のことを、ワードサラダという。

ブログなどでスパム行為を働くのに有用であるため、ここ数年、広がったきた文章テクニックだ。ワードサラダを掲載するブログは、サイト検索エンジンのスパムフィルターにひっかかりにくい。この特性を利用して閲覧者をおびき寄せ、アフィリエイト事業者から手数料をかすめ取ることを目的としている。

そもそもワードサラダは「文法的には正しいものの、言葉の選び方が正しくないので、意味が通らない文章」のことをいう。例えば言語学者のノーム・チョムスキーが作成した文章「Colorless green ideas sleep furiously.」は、ワードサラダの具体例として有名だ。これを日本語に訳すと「色のない緑の概念が猛烈に眠る」ぐらいの意味になる。つまり、サラダの中にいろいろな野菜が散らばっているように、相関のない言葉が文章の中に散らばっている。精神医療の分野では、分裂症患者が話しがちな言葉として有名だ。

ワードサラダは、各種フィルターを通り抜けやすい

いっぽうインターネット分野では、このワードサラダがスパム行為の重要テクニックとして利用される。例えばワードサラダを記載したスパムメールは、迷惑メールフィルターを比較的容易にくぐり抜けてしまう。くぐり抜けた迷惑メールは、スパマーに何らかの利益をもたらす。

また、ワードサラダを掲載するブログ(スパムブログの一種とも考えられる)も増えている。ロボット型検索エンジンは、このようなブログがスパムであることに気付かないことが少なくない。検索エンジンを利用したユーザーが、何かの弾みでこのようなブログを目にしてアクセスすると、ユーザーのパソコンは、通販サイトのクッキーを自動保存してしまう(ブログを見ただけでは、ユーザーは、このブログと通販サイトとの関連性が分からない)。このユーザーが、後日、何も知らないまま通販サイトで買い物をすると、その販売手数料がブログの運営者に振り込まれる。もちろん通販サイトは、そのような形でのアフィリエイト(提携)を違反行為としている。

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