「どんだけぇ〜?」

第1回 | 2007年5月16日

(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

最近、若い世代の間で「どんだけぇ〜?」という言い回しがはやっている。何かに驚いたり、共感した場合に使う。さらに非難する場合にも使える用途の広い感嘆詞だ。元々ギャル系の女性の間で流行っていたものが、最近、一般人にも広まりつつある。もしかしたら、これが今年を代表する流行語に化けるかもしれない。

例えば、こんな具合に使う。まずは共感する場合。「私、連休中ずっと仕事だったんですけど」「どんだけぇ〜?」。非難する場合には、「あいつさ、自分で自分のことを『可愛い』とか思ってね?」、「ちょっと、どんだけぇ〜?」などとやりとりする。

使われ方から推測すると、「どんだけぇ〜?」は「どんだけ○○なんだよ」というツッコミ表現を略した感嘆詞だと思われる。したがって、ツッコミが発生するあらゆる状況で使える。もちろんノリツッコミ(自分でボケて自分でツッコむ話法)の場面にも応用できる。「オレってモテるしさ。…どんだけぇ〜?」といった具合だ。

ただしこの表現の使用法には、いくつかの注意点がある。第1に、感嘆詞的に「単発」で用いるのが普通だ。例えば「このチョコ1個2000円だって」「どんだけ高いんだよ」という使い方はしない。第2に、この言葉を発音する場合は、語尾に向かってアクセントを上げる感じにするのが普通だ。

渋谷で生まれ新宿二丁目で進化

この表現を最初に“編み出した”のは、数年前、渋谷にたむろしていたギャル系の女子高生だと思われる。例えば情報サイト『シブヤ経済新聞』が、2005年1月21日付けの記事でこの言葉の流行現象を伝えている。当時の「どんだけ?」は、「どういう意味?」「訳が分からない」ぐらいを意味する表現だった。少なくともこの時点では、ギャル同士でしか通じない「内輪の言葉」に過ぎなかった。

ところが後に、この流行が「新宿二丁目」という意外な場所に飛び火した。この街に密集するゲイバーで、なぜか「どんだけぇ〜?」がはやり始めたのだ。ただし、渋谷における流行現象との相関関係はよく分かっていない。このころ言葉の意味が拡大し、どんなときにも使えるツッコミ表現(さらには特に意味のない盛り上げ言葉)になったものと思われる。

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