「なんで出来ないんだ」という悔しさが、バネになっている
── どんなことから始めましたか。
五十嵐 最初は専門書を読むことから始めました。また、富士通の長野工場のほか、協力会社やお客様のもとにお邪魔して、勉強させてもらったりしました。20社以上の企業を訪問させていただいたのではないでしょうか。とにかく、なんでもかんでも吸収するしかない。しかも、当時の蒲原機械には、ハードディスクのケーシングを作るための機械がありませんでしたから、外注先の機械を借りて、そこに常駐して仕事をやらせていただいた。しかし、思うようなものができない。試行錯誤の繰り返しの結果、完成したのは10カ月後でした。
── どうやって完成させたのですか。
五十嵐 1の方法が駄目だったら、2の方法でやってみるということの繰り返しでした。とにかく、いろんな方法を試してみた。刃物や治具も、いろんな形で作ってみた。治具の特性、機械の特性を見抜きながら、加工方法を決めるというやり方は、この時に学びました。私が、この仕事をやり遂げることができた一番の原動力は、「悔しい」という思いでした。出来そうで、出来ない。「なんで出来ないんだ」という悔しさが、バネになっている。遅刻、無断欠勤の不良社員が、家に帰らずに、没頭するぐらいになっていましたからね(笑)。実は、かなり経ってから、当時の上司に「なぜ、私を選んだのですか」と聞いたことがありました。返事は「ほかの人と変わっていたからだよ」と。へそ曲がりの性格が幸いしたのかもしれませんね(笑)。
(次週に続く)
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