ラベルのようにしっかりと貼れる粘着メモ(2)
すべてのニーズを満たそうと思ったらダメ、原点に戻って考える
(聞き手:林田 孝司=フリーライター)
(前回記事はこちら)
コクヨ・ブランドの原点は「商品を通じて世の中の役に立つ」ことだ。「ドットライナーラベルメモ」の開発を担当した得津まどかさんは、粘着メモの使われ方の変化から、新たな価値を生み出す商品を作ろうとしていた。これまでに感じていた不便さ、付箋だけではない使い方……。アイデアはあった。
しかし、実際に製作に取り掛かると、粘着方法や原紙の選択一つとってもハードルが高い。何を基準にしていいのかも分からない。試行錯誤する中、自らの中に確固たる判断基準が生まれてきた。
── 過酷な環境試験を経て、このレベルをクリアすれば大丈夫という性能基準を作らなくてはいけません。どこに軸を置いたのですか。

「ドットライナーラベルメモ」の開発を担当した、コクヨS&Tのクリエイティブプロダクツ事業部 ステーショナリーマーケティング部の得津まどかさん
得津 これまでにない商品だったので、性能基準を作るのは大変でした。そもそも、今までの粘着メモは段ボールやキャビネットなどに貼り付けることを想定していないので、粘着メモの品質基準をそのまま使うことはできませんでした。ですから、まず品質試験をする際に、この貼り付ける対象を絞り込むところから始めました。
できるだけ多くの素材に対応したい。しかし、すべての素材に貼り付けるのは不可能です。では、何を捨てて、何を生かすのか。まず「強粘着シールでしか対応できないような素材は捨てる」判断をしました。例えば漆喰の壁ように細かな凹凸があるもの。これはかなり強い粘着が必要なので基準にしない。このあたりは、弊社からもタイトルシールなどが出ているので、そちらを使ってもらおうという判断です。
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