“油性ボールペン嫌い”が油性ボールペンをヒットさせた(2)
“油性ボールペン嫌い”だからこそ新コンセプトを考え出せた

(聞き手:大河原 克行=フリーライター)

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 油性ボールペン「JETSTREAM」の開発者である三菱鉛筆の市川秀寿課長は、油性ボールペンの書き味が好きではなかったと言い切る。だが、裏を返せば、だからこそJETSTREAMという新たな油性ボールペンを開発できたと言えそうだ。油性ボールペンの書き味が好きではないとする開発者が開発した、新コンセプトの油性ボールペンの、商品化への挑戦を引き続き追う。

── なぜ、油性ボールペンの書き味が嫌いなのですか。

市川 私は筆圧が低いんです。筆圧の低い人にとって、油性ボールペンは、書き味が重く感じる。なめらかな書き味の水性ボールペンの方が書きやすいんです。それと、水性ボールペンに比べて、黒の色が薄い。加えて、乾燥性が悪いですから、はがきを何枚も書いていると、手が真っ黒になる。そこが好きになれない理由なんです(笑)。

── 好きではない製品を開発するは辛いですね(笑)

市川 筆圧が低い私には、油性ボールペンのメリットがあまり見当たらなかった。それならば、その改良案をどんどん挙げてみようと(笑)。

三菱鉛筆 横浜研究開発センター 市川 秀寿課長

また、これは油性ボールペンに限った話ではないのですが、ボールペンを上向きに置いたままにするとインクがどんどん下がってしまい、なにかのきっかけで、インクが後部からドンと落ちてしまうことがある。揮発しにくいインクですから、こぼれたインクがベタベタしてしまう。これも解決したかった。

油性ボールペンは成熟製品ですから、これ以上変わらないという既成概念が業界内にはあった。ところが、油性ボールペンの重さなどが好きではなかったからこそ、油性ボールペンの悪いところが認識できたんです。

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