本邦初、男性向けフレグランス・ガムを企画する(2)
無難な商品は、無難な結果しか出さない

(聞き手:諏訪 弘=フリーライター)

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 マーケティング調査を鵜呑みにした商品開発では、商品への愛着も持てない。愛着がなければ、商品は妥協の産物となり、消費者の支持も得られない。「2カ月で4億円」という異例の売れ行きは、亀高氏のこのポリシーに多くを負っている。

──『オトコ香る。』は、今年3月の発売以来2カ月で、年間の売上目標を達成したほどの大ヒットです。亀高さんはこのヒットにどう貢献したでしょうか。

亀高 私自身は大した働きをしたわけではないので、私が所属する部門としてお話します。

亀高 邦夫氏 菓子事業部開発グループ

いちばん大きな貢献は「妥協しなかった」ということでしょう。とにかくこのデザインとネーミングで売るのだ、と最後まで頑張って、思い通りのイメージで発売にこぎ着けることができた。

新商品を発売するとき、企業は徹底的な市場調査をして、万人に受けるものを出そうとする。それはそれで意味のあることです。しかし一方で、「とんがった」部分を欠いた無難な商品になってしまうこともある。無難な商品は、無難な結果しか出さないのです。

──現実問題として、ビジネスパーソンが妥協せずに仕事をするのは難しいのでは、という気がします。亀高さんはどうして、安易に流れることなく、『オトコ香る。』の開発・発売業務に携わることができたのでしょうか。

亀高 どれだけ商品に惚れ込めるか、だと思います。『オトコ香る。』の企画が上がってきたとき、私は直感的に「欲しい」「面白い」と感じました。それが愛着につながった。「モニター調査では味はAタイプが、パッケージはBタイプの評価が高いです」「ではAとBを組み合わせた商品を出そう」というのでは、商品への愛着など持てるわけはないですよね。

モニター調査は、もちろん重要です。しかしそれだけで人は説得できません。いかに自分がこの商品に愛着を持っているか。その情熱が加わってようやく人の心を動かせるのだと思う。最近は様々なマーケティング手法が開発されています。それを否定するものではありません。しかし「あまり影響されないようにしよう」と心がけています。

調査がはじき出す数字は、一種のマジックです。無視していいというものではありません。しかし、過分に惑わされないようにすることが商品に対する愛着、情熱につながっていくのだと思います。私自身はもちろん、開発スタッフもこういう考え方を以前からしていました。そして、特に『オトコ香る。』がイメージ通りに発売できたこと、そして大ヒットしたことで、自信を持ってそう考えられるようになりました。

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