10万円の高級炊飯器を売る(2)
販促活動で貢献、その原動力は「熱意だった」

2007年10月17日

(聞き手:諏訪 弘=フリーライター)

(前回記事にこちら

 三菱電機ホーム機器 調理家電営業課の赤石都良(くによし)氏は、「本炭釜の良さを分かったもらうために、販促活動に工夫を凝らしがんばった。この点については、貢献できたと思う」と語る。販促活動は、広告を打ってはならないというハンデをはじき返して進めたもの。その原動力になったのは「熱意だった」と赤石氏は振り返る。

報道によると、三菱電機から「この製品の広告を打ってはいけない」と言われたそうですね。

赤石 それは事実です。ニュースリリースを出すこともできませんでした。これから頑張って売っていこうという時期だっただけに、営業としては内心じくじたる思いがありました。

三菱電機ホーム機器 調理家電営業課の赤石 都良(あかいし・くによし)氏

しかし、広告が許可されなかったのには真っ当な理由があります。それは大量生産ができないことです。炭素99.9パーセントの内釜は製造が難しく、一つ作るのに100日くらいかかる。発売を開始した2006年3月の時点では、月産1000台がやっと、の状況でした。わが社の炊飯器には月産7000台〜1万台の製品もあります。それを考えれば本炭釜の製造量がいかに少ないかが分かるでしょう。製品が足りないのでは、広告を打つ意味がありません。

つまり「広告を打ってはいけない」という方針は、企業としてのモラルを守ろうというのが理由でした。今は生産効率が多少上がって月産2500台くらいになりました。それでもまだ市場に十分に行き渡る数ではない。だから依然として大きな広告は控えている状態です。ただしニュースリリースは、最近になって流すようになりました。

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