■消費者を見れていないとは?

海老沢 今の部門に異動してきてよく言われる言葉が「消費者をちゃんと見てね」なんです。何か資料を提出するときなど、「憶測でものを見ていないか?」「消費者が何を望んでいるかを、きちんと把握しているか」を常に問われます。この仕事に携わるようになってから、この点には、とても気を付けるようになりました。

消費者をちゃんと見るために、いろいろなことに気をつけています。ちょっとしたひと言を見逃さない。なんでもヒントにする。いろいろな聞き方をしてみる。こうすることで、本質に近付けるように努力しています。

■今回の仕事で新しい視点を得ることができたんですね。

海老沢 調査には、定量的な視点と定性的な視点の両方が必要です。開発では、定性的な部分がとても重要な気がします。私たちは、それをインサイトと呼んでいます。

調査部門にいると、調査にしか携われない。いっぽう今回はマーケティング担当なので、調査はいろんな仕事の中の一部分でした。もちろん調査の重要性は変わりませんが… 以前は、調査の視点でしか物を見ていなかったのですが、今回の経験で一気に世界が広がりました。

初めての商品開発を無我夢中でこなした海老沢さん。その中で感じたことは「伝える」ことの難しさ。開発メンバーはもちろん、他の部署の関係者とも商品コンセプトや商品イメージを共有するために、様々な手段を講じてやりとりした。そして、共有したイメージが具現化し、ゴールに近付くたびに「商品への愛が深まっていった」という。(次回に続く)

林田 孝司(はやしだ・こうじ)

主なフィールドは、「車、住宅、政治経済、デジタルグッズ」と執筆分野を問わない雑食系ライター。有名無名を問わず、様々なジャンルで活躍する人たちの取材をライフワークとしている。

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