初めての開発体験〜花王「セグレタ」チームに参加(1)
「消費者をちゃんと見る」
(聞き手:林田 孝司=ライター)
花王は4月、新ブランド「セグレタ」を冠したヘアケア商品(シャンプー、トリートメントなど)を発売した。ブランド名の由来はイタリア語の「秘密」。髪のツヤを意識する30代〜40代の大人の女性がターゲットだ。これまでになかった領域の開拓を目指す。加えて、既存ブランドである「メリット」「エッセンシャル」「アジエンス」に続く新ブランドを確立する使命を負った戦略的な製品でもある。
この商品開発を担当した1人が、花王 プレミアム・ヘアケアグループの海老沢香織氏だ。海老沢氏は、今回初めて、商品開発に携わった。新商品を一から開発し、新しい価値を顧客に提供する業務に、どう臨んだのだろうか。

(写真提供=花王)
新しい価値は、消費者にどんなメリットを与えられるのか?
■高級シャンプー市場は飽和状態と言われています。「セグレタ」は新しいターゲット層を開拓し、また新しい価値を提供することに成功しましたね。
海老沢 ヘアケア市場には、150を越えるブランドがひしめいているんです。だから社内でも「この市場は、もう飽和しているんじゃないか?」という認識がありました。しかし、しっかり俯瞰してみると、満たされていない部分があったんですね。
満たされていない部分の1つは「髪のエイジング」。ここにフォーカスしているブランドは非常に少ない。年齢を重ねるとともに、髪の変化を感じる方が増えるんです。分かりやすいところでは白髪ですね。でも、それだけではなく、ツヤがなくなる、ハリ・コシがなくなる、といった変化をけっこう感じてらっしゃいます。「ツヤのある髪が、気づいたらくすんだ感じになっていた」という声が多いんですよ。それに、「手触りも何だか変わってきた感じがする」と。そういった意見を受けて、お客さまの役に立つブランドになることを目指しました。

もう1つの満たされていない部分は、30代〜40代の大人の女性に向けた商品が少ないということ。ほとんどのヘアケア商品は、若い女性に向けたコミュニケーションしか取っていません。例えば化粧品は、大人の女性も含めて、細かく年代を区切って商品を用意しています。だから種類がたくさんあります。ですから「セグレタ」は、年齢を重ねた女性が持つ色香、また経験に裏打ちされた知性などの世界観を表現することを大事に考えました。
こうした状況を受けて「セグレタ」は、髪のアンチエイジング機能を持たせることと、30代〜40代にターゲットを想定することを柱に開発をスタートしたんです。
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