デジカメCMに綾小路きみまろ氏〜大胆な決断はなぜ(1)
LUMIX TZ3の発売直前に宣伝案が却下

2007年5月30日

(聞き手:大河原 克行=フリーライター)

 「きみまろズームでございます」──。漫談家の綾小路きみまろ氏が、テレビから独特の語り口調で呼びかける。松下電器産業のコンパクトデジタルカメラ「LUMIX TZ3」のテレビCMである。共演している長山藍子さんの笑顔とのバランスが絶妙。団塊の世代を中心とした中高年ユーザーに強くアピールする内容となっている。

 このテレビCMが世の中に登場するまでには、異例とも言える決断が相次いだ。プロモーションの仕掛け人である、松下電器パナソニックマーケティング本部コミュニケーショングループ宣伝企画チームの今井徹氏に、その道のりを聞いた。

綾小路きみまろ氏が登場する「LUMIX TZ3」の広告

■「LUMIX TZ」シリーズの初代機の「TZ1」は、「旅カメラ」というコンセプトでしたね。

今井 ズームを搭載し、長時間の利用できるのが特徴。旅に持って出るには最適なデジカメであることをアピールしました。しかし、正直なところ、予想したほどには売れなかった。なぜ売れなかったのか。それは、ひとことで言えば、アピール方法に問題があったのです。

今井 徹氏 松下電器パナソニックマーケティング本部コミュニケーショングループ宣伝企画チーム

デジカメ売り場にはたくさんのデジカメが展示されている。当社の製品だけをとっても、9機種もある。これに色のバリエーションがあるわけですから、売り場には、まさにあふれるほどの製品が展示されていることになる。お客様は、「このなかから、どれを選んだらいいのか分からない」というのが正直なところではないでしょうか。そこに「TZ1は、旅カメラだ」とアピールしても、他社との差異が伝わらない。当社のメッセージは、埋もれてしまったのです。

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