予防対策・早期発見・早期避難で火災から身を守る

一人ひとりがやっておくべきこと

 大切なのは、そうした機器(消火器や防火品など)を備えた上で、それらをきちんと“機能する”(使える)ようにしておくことだ。

 独立行政法人消防研究所の基盤研究部特殊火災研究グループ長で工学博士の鶴田俊氏は、「消火器はきちんと使えるようにしておくこと。今は、火災警報器が設置されたマンションが増えていますが、それが鳴った際きちんと避難する人はどれくらいいるでしょうか」と指摘する。

独立行政法人 消防研究所 基盤研究部特殊火災研究グループ長
工学博士 鶴田 俊 氏

 火災警報器には誤報もある。しかし、警報というのは深刻な事態になってから鳴ったのでは意味がない。「深刻な事態になる前に警報を出すように設計されているため、誤報は発生します。しかし、10件の誤報よりも1件の発報遅れの方が問題です」(鶴田氏)。

 火災警報器が鳴ったらまず避難すること。そのためには、火災警報器はどのような音で鳴り、鳴った場合どういう行動をとるかを日ごろから家族で話し合っておくことが大切だ。

 また、マンションなどには各戸に避難口があるが、その周辺にモノをたくさん置いている家も多いのではないだろうか。これでは、いざというときにせっかくの避難口が役に立たない。

 つまり、「室内のモノをきちんと片づける」「脱いだ服はタンスへしまう」といったいわゆる“しつけ”に相当するものも、火災対策では大切となってくる。

 「モノがごちゃごちゃしていると、それだけで逃げ道がふさがれる可能性があるからです。また、火は最初は小さくじわじわと燃えていますが、カーテンなど薄くてヒラヒラする布に移るとパッと燃え広がります。そのため、脱いだ服を放置しているのはとても危険なのです」(鶴田氏)。

 火災は発生してはならないモノだが、日常生活の中で起こる。しかも、人間のちょっとした気の緩みなどが原因で起きたりする。

 肝心なのは、まず、火災発生をできるだけゼロに近づけるよう、日ごろから火災の危険性を各自の問題意識として認識し、火を扱う際には十分に気をつけて行動することだ。そして、火災が発生した場合を想定して、警報器や消火器を初めとするグッズや“逃げ道”をきちんと用意し、いざというときに使えるようにしておくこと。その際、家族・地域で対応を話し合ったり、定期的に訓練しておくことも欠かせないといえるだろう。

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