ココを押さえろ! 今冬のインフルエンザ
想定外その3 真夏に初めての流行注意報
インフルエンザの流行が終わり、臨床医の話題に上ることも少なくなった今年6月、沖縄県で異例の事態が起きていた。5月下旬には落ち着いたかに思われたインフルエンザの患者数が、6月下旬から再び上昇。第27週(7/4~7/10)には定点医療機関当たりの患者数が10人を超え、インフルエンザ流行注意報が発令されたのだ(図3)。この時期に注意報が出た例は過去にない。

「38℃以上の高熱、悪寒というインフエルンザ様症状の患者がぽつぽつ出ていたが、夏にインフルエンザとは思い付かなかったため、最初はアデノか何か別のウイルスだろうと思っていた」と中頭病院・ちばなクリニック(沖縄市)小児科の関口晴之氏は言う。その後、「メーリングリストで沖縄でインフルエンザが出ていると話題になっていたので、診断キットを取り寄せて調べてみると、続々検出された」と話す。
国立感染症研究所感染症情報センター長の岡部信彦氏は、「沖縄での流行を耳にしたときは、一瞬、新型インフルエンザの出現を疑ったが、ほとんどはA香港型であることが分かり、ひとまず胸をなで下ろした」と振り返る。
では、なぜ沖縄で夏場にインフルエンザ流行したのか。沖縄県衛生環境研究所研究員の平良勝也氏は「原因は全く分からない。ただ、東南アジアでは例年6~8月の雨期に流行のピークがあり、地球温暖化に伴い沖縄での流行が亜熱帯型に移行し始めているとの推測もできる」と話す。特に、今回の2峰性の流行は、“山”の大きさは逆だが、タイの流行パターンに類似しているという。
実は、10月末現在まで、沖縄ではインフルエンザ患者が定点当たり1人以上出続けている。これも、通常は考えられない珍しい現象だ。 インフルエンザは冬にはやるという「日本の常識」は、沖縄から覆されていくのかもしれない。
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