なぜメキシコだけ被害が深刻なのか
次に重要なのは、「毒性」だ。仮に感染力が高くても毒性が低ければ、全体の被害が抑えられるからだ。
現在、メキシコ以外でもすでに死者が発生している。しかし全体としては、メキシコとその他の国で、症状の重篤さがかなり違うと言われている。
この原因について、WHOは極めて重要視して調査を進めているようだ。ウイルスの変異は現在のところ観察されておらず、ひとつには、病原性の相違の問題というより、社会的な影響も大きいのではないかという仮説がある。
たとえば「辺鄙な地域では医者を受診するのに時間が掛かる」とか、「収入や文化の問題で、重篤になるまで医療機関を受診しない人がいる」などというものだ。
これが本当かどうかは、まだわからない。メキシコの例で毒性を考えるとしても、信頼性に疑問が残る。前提となる統計が、新型インフルエンザに罹患した「可能性がある」人の数と、新型インフルエンザで死亡した「可能性がある」人の数といった曖昧さだからだ。それを信じられるかは別にして数字だけ挙げておくと、2009年4月29日の段階で、だいたい2500人感染しており、死者数は150人ほどに増えている。単純に計算すれば、致死率は6パーセントと高めの数字になる(信頼性は疑問)。
ただし、メキシコでもはっきり病理学的に証明されたレベルでは、2009年4月29日の段階で、19人感染で7人死亡と両方とも少ないので、注意が必要だ。
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