新型インフルエンザの脅威には、こう立ち向かえ!

楽観的になるな、絶望するな

虫明 これまで国の対策、企業の対策を見てきたんですけれども、まだまだやはりこの新型ウイルス問題、やらなければいけない課題が数多く残っているということが分かってきたかと思います。

 それでは最後に、お三方から一言ずつ、メッセージといいますか、お話を一言ずつ伺いたいんですが、まず木船さん、今日は会場に行政の方も来ていらっしゃいますし、企業の担当者も来ていらっしゃいます。新型インフルエンザ対策を進めていく上で、何が大切なのかというメッセージを最後に伺えればと思います。

木船 大切なことはだいたい大企業の方はお分かりになっていらっしゃると思います。わたしが今さら申し上げることでもないのですが、実はここに生き残り格差ができてくるのではなかろうかというところが非常にわたし、心配でございます。ここにいらっしゃる大企業の方々は、生き残れますよ。なんとかなります。

 では、島田さんにお願いしたいのは、中小企業、特に本当に大変なのは中小企業の方々ですし、特に零細企業の場合、生き残れないんじゃないか、あるいはここにきて業態変容を考えなくちゃいけないんじゃないかというところまで来ていると思います。従って行政の方々はぜひ、中小企業に対する施策、これをご配慮願いたいというふうに思います。大企業の方々は、放っておいても自分たちで考えると思います。

虫明 島田さん、いかがでしょうか。

島田 ぜひ中小企業の皆さま方と一緒に、商工会議所さんなどとわたしどもと進めていければというふうに思っております。

 それからこれは石原知事がよく申すことでございますけれども、やはり震災のときでもガタガタっときた瞬間とか、そういったときにはまず自分で自分のことをやってください、冷たいようですけど、そうなんです。そういう意味では、自助、まず感染しない努力をやってほしい。それからコミュニティーですとか隣近所という意味で、お互いに感染させないというふうな共助というのをやってほしい。最後にわたしども公助としまして、できることは何でもやります。

 東京都庁としましてはさらに11月17日に東京都庁、新宿都庁舎のなかで、この新型インフルエンザについてのシンポジウムを開催し、さらに12月以降には都内の皆さま方の全戸に対して、保存版の新型インフルエンザ対策のパンフレットを発行しようと思っています。やはり正しく知っていただいて、ご自分の身はまず自分で守っていただく、そういったことを都民の皆さま、それから各企業の皆さまにも心からお願いすると同時に、我々も最大限の努力をしていく。そういう覚悟でおります。

虫明 最後に押谷さん、いかがでしょうか。

押谷 最後に言いたいことは、この新型インフルエンザ対策を考えるとき、楽観的にならないこと、絶望しないことだと思います。新型インフルエンザなんてきっと起きないよと、我々が脅かしているだけで、こんなものはきっと起きないよ、とかいって、なかなか新型インフルエンザ対策、実際のところで市町村ほか、企業とかでもなかなか進んでいかないところがありますけれども、これはやはり必ず起こるものだとわたしは思います。そういう意味で楽観的になりすぎないこと。

 ただ、実際に起きたときにどのくらいの被害が起こるかとか、そういういろんな不確定要素もあります。実際に起きても、そんなにたいしたことはないかもしれない。ただ、危機管理の問題としてはやはり最悪の事態も考えておかなければいけない。そういう意味で、新型インフルエンザ対策というのは、真剣に取り組んでいかなければいけないものだと思います。

 もう一つ、絶望しないこと。いろいろこういう話を、日本で何千万人も感染するとか何十万人も死ぬとかいう話をすると、どうしても今度は、何やってもだめなんじゃないかと、何もできないんじゃないかというような、そういう絶望的な気持ちになってしまうところもある程度は理解できるんですが、いろんなことを対策をすることによって、社会全体の感染リスクを下げていく、そうして社会全体を守っていくということはできるはずです。

 企業もそうですし、家庭もそうですし、コミュニティーもそうですが、そういうところでいろいろな対策を積み重ねてやっていくことによって、社会全体が守られていく。そういうことは最近のそういうデータでいろんなことが分かってきています。ただみんながそれを守ってくれないと、みんながそういう計画を今つくって、実際に起きたときに対策を実行してもらわないと、社会全体を守るということはできませんので、そういう意味でも本当に実行力のある対策をそれぞれの政府、企業だけじゃないんですが、家庭とかコミュニティーとかというところも含めて、みんなで考えていく必要があるんだというふうに思います。

虫明 今日は非常に短いながらも、内容の濃いお話を伺えたのではないかと思います。3人の先生方ありがとうございました。今日のこの内容が、今後皆さんが新型インフルエンザ対策を進めていく上で参考となれば幸いです。

「“パンデミック・フル”迫り来る新型インフルエンザの脅威」パネルディスカッション会場より 「“パンデミック・フル”迫り来る新型インフルエンザの脅威」パネルディスカッション会場より

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