行政の役割で重要なのは初期対策
虫明 木船さん、企業の側からご覧になってこの国の枠組みというのはどうなんでしょうか。企業の活動としてはこうした枠が作られるなかで事業を継続していかなければならないわけですが、このあたりいかがでしょうか。
木船 そうですね。やはりわたしが企業として行政のほうに望むことというのは、とにかく初期対策ですね。これは、薬あるいは予防接種といったものは全然ないというふうに覚悟していなくてはいけないのかもしれない。これは各自ソーシャル・ディスタンシング対策(他人と接触する機会を最小限にする対策)、これを徹底してやるしかないわけです。
富士ゼロックス 危機管理シニア・アドバイザー 木船 賢治氏
1918年のスペインインフルエンザ流行時の米国における市の患者数の比較ですね。実はフィラデルフィア市は、第一次世界大戦の戦勝パレードをやっちゃった。そうすると患者の数が、パッと増えちゃった。それに比べてセントルイスの市長は何をやったかというと、臨時休校ですとか、集会の禁止ですとか、これを徹底的に初期の段階で介入したために患者数が増えなかった。これは実際にこのようになったという過去の事実です。
わたしは行政に望むこととして、徹底した初期の介入、これをやっていただきたい。とにかく第一波では、先ほども申し上げましたけども薬剤に拠らない対策しかないわけです。国内発生したらとにかく移動活動を全員で、全国民で停止しようじゃないかと。このくらいの国民活動にしたいですね。1週間停止。そのためには企業の協力が不可欠だと思います。感染拡大防止のために協力している企業ですよ、ウチは率先して休みますよというようなことを活動、運動として広めていきたいですから、協力企業のマル適マークのようなものを採用していただけないかというふうに考えております。
それとやはり、最初のところでは徹底したサーベイランス(継続的な調査によって事態の成り行きを厳しく見張ること)、それとすばやい情報交換、これをお願いしたい。致死率によって、当然のことながら施策は異なってくるわけです。
それともう一つ。抗ウイルス剤、タミフルですとかリレンザですとか、これの民間備蓄の検討もそろそろやってもいいのかなという気がします。こういったものが備蓄されているんだということになりますと、かかってすぐに処方されるという安心感から精神的にも相当楽になります。
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