緊急地震速報は使えない?--2種類ある緊急地震速報
まず、知っておいていただきたいのは、緊急地震速報には2種類あるということだ。
1.一般利用者向け緊急地震速報
2.高度利用者向け緊急地震速報
テレビやラジオで放送される速報は、1のタイプである。全国を約200地域に分けて速報を出すために、かなり大まかな情報と言ってよい。また後述するように、情報の確実性を重視するために、一方で速報性にやや欠けるというデメリットがある。
2は、自分が現在いる場所で、どのような震度の地震がいつ来るかを知らせるものだ。地震発生直後には情報の誤差があるが、速報性は高い。情報の正確性は、時間がたつにつれて増していく。
では、システムの運用面から見て、一般利用者向け緊急地震速報と高度利用者向け緊急地震速報にはどのような違いがあるのか。地震発生直後の経過をもとにして説明していこう。
地震が発生すると、まず1つの地震計が揺れを感知する。この時点では、震源や地震の規模はそれほど正確には分からない。やがて、ほかの地震計も次々に揺れを感知していくことによって観測の幅が広がり、震源や規模をより正確に特定していくことができるわけだ。
もちろん、気象庁のコンピューターから震源や規模に関する情報が順次発信される。その際、高度利用者向け情報対応システムには、早くから情報が伝達される。
しかし、テレビやラジオで放送される一般利用者向け緊急地震速報は、そうではない。P波が2箇所以上の地震計で観測され、最大震度が5弱以上と推定されて初めてしかも一度だけ発表されるのだ。
必然的に伝達が遅くなり、震源の近くでは、すでに揺れてから緊急地震速報が流れるケースがまま起きることになる。これが、「緊急地震速報は使えない」という不評の原因となっているのである。
緊急地震速報は徐々に改良が進められてきたが、まだまだ改良の余地がある。
「では、テレビやラジオでも早くから情報を出せばいいではないか」という人もあるだろう。だが、マスメディアから流れる情報という性格上、誤報を避けなければならない。そのために、ある程度時間がたって、地震であることが確定してから情報を流すわけである。
誤報や誤差が度をすぎると、情報自体の信頼性が揺らぎ、やがて国民が緊急地震速報自体を信用しなくなる恐れがあるからだ。
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