NTTが提供する安全・安心対策~災害時の安否確認はBCPと深くかかわる~

 6月には岩手・宮城内陸地震が起こり、その後も各地で集中豪雨や落雷などによる自然災害が相次いでいる。そんななか、2008年7月23、24日の両日、東京・中央区のNTT茅場兜ビル・コミュニティプラザ人形町において、『事業継続対策(BCP)セミナー』(主催:NTT東日本-東京中央、協力:事業継続対策コンソーシアム)が開催された。
 本セミナーで「NTTの安全・安心対策ついて」と題した講演を行なったのは、前・NTT東日本災害対策室長の東方幸雄(とうほう・ゆきお)氏である。電電公社時代から多くの災害対策に取り組んできたNTTだが、なかでも、災害時の安否確認は、家庭内の問題だけでなく、企業のBCPとも深くかかわっていると指摘する。

文/二村 高史、写真/新関 雅士
2008年9月4日

NTTの防災対策はハード中心からソフト中心へ

東方 幸雄氏

東方 幸雄氏

 1960年代から現在に至るまで、通信回線はさまざまな大規模災害に襲われ、そのたびに対策が実施されてきた。例えば、1968年の十勝沖地震を契機に市外伝送路が2ルート化され、1993年の北海道南西沖地震をきっかけに可搬型衛星局が開発された。その他、非常用交換機の開発、難燃ケーブルの採用など、1990年代なかばまでは、ハードを中心とした対策が行われてきたのである。

 その結果、電話局は震度7の地震でも壊滅的な被災を回避できる構造となっている。局内には予備電池、予備発電機を設置、損傷を受けてもすぐに機能を回復できる仕組みになっている。そのほか、難燃ケーブルや油流入防止堰の導入よって火災から、また水防板や仏圧設計によって風水害から守られるようになり、耐災性が大きく増したといってよい。

NTTの災害への取り組み 【クリックで拡大】

 これに対して、1995年の阪神・淡路大震災を契機に、対策の性質が変わってきている。いわば、ソフト、情報を中心とした対策である。

 阪神・淡路大震災後のアンケートによれば、被災者が最も心配していたのは、「いつ、どのような規模で次の地震が来るか」、次に「家族や友人は無事でいるか」という情報だったという。そこで、「災害用伝言ダイヤル(171)」が開発された。その後も、「iモード災害用伝言板サービス」「災害用ブロードバンド伝言板」が開発されて現在に至っている。

 だが、残念なのは、いずれのサービスも国民への認知度がまだまだ低いことだ。しかし、こうした安否確認ツールは、二次災害を防いで人びとの生命を守ると同時に、企業においてもBCPを推進する大きな力になることを知っておいていただきたい。

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。