リケン、中越沖地震からの復旧と教訓

支援部隊は生産復旧だけでなく総務的な支援も

行田氏の講演の後、地震防災対策計画や防災システムの専門家であり、事業継続対策コンソーシアム顧問を務める宮本英治氏が、リケンに関して発言した。

宮本英治氏

事業継続対策コンソーシアム顧問 宮本英治氏

 リケンは被災したにもかかわらず、翌日の17日にはホームページ上で状況を公開したのは見事だった。

 BCPの観点からすると、今回、リケンは事前に耐震補強や棚の飛び出し防止なども行っていた。だが、生産ラインに被害が集中したほか、グループ会社では工場建物に被害が出たところもあった。

 リケンのケースにおける教訓は、生産設備の転倒防止やグループ会社の耐震補強など耐震対策の推進、および製品供給継続体制の構築、すなわち生産分散(海外グループ工場を活用や国内協力会社との連携)やバッファー在庫を如何に揃えるか、ということだろう。

 また、復旧活動の支援に入った会社は、生産部門だけでなく、宿泊場所や食料の手配などのため総務部門も同行した。そして、地域へ支援物資(避難所のパーティションやクッションマットなど)を配布するなどの地域貢献を、リケンの総務部門と連携して行った。今までにない支援方法だが、有効に機能したようだ。

 生産復旧は会社や工場単体でできるものではない。社員・家族は地域の一員であるとともに、仕入れ先や物流の復旧など地域と協同しなければならない。リケンと取引のない会社の工場の復旧支援まで行なった支援隊もさることながら、リケン自身も被災翌日から地域の病院に応援の人を派遣したり、地域の人に風呂を提供したのはさすがだった。

 一方、柏崎市なども地域の早期復旧のためライフラインの復旧に懸命の活動を行った。

 地震に強い工場とは、BCPのドキュメントを作成することではなく、いかに被害を抑えて素早く復旧部隊を組織できるかという機動力のある工場のことである。そして、製品を継続して供給する体制を構築することや、地域と連携することも大事なことである。

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