災害時に、必要な備えとは? 『第3回 全国民放ラジオ101社パーソナリティ地震体験フォーラム』

大型地震発生の確率が3%未満でも油断はできない!

会場の様子

 午後からの第2部は、会場を東京プレスセンタービルに移し、地震に対する知識をより深めるための講演やクイズ大会が行われた。日本損害保険協会長(あいおい損害保険社長)児玉正之氏は、開会挨拶の中で、「パーソナリティの皆さんに、地震災害に関する新鮮かつ正しい情報を伝えるとともに、地震に対する備えの一つとして、地震保険の普及を図りたい」と述べた。




日本損害保険協会業務企画部
地震・火災・新種グループリーダー
鈴木文明氏

 続いて行われた講演『数字で見る地震保険』を担当した、日本損害保険協会業務企画部の地震・火災・新種グループリーダー鈴木文明氏は、「今年3月に政府の地震調査委員会が発表した地震動予測地図によると、東海・近畿・四国地方は、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が26%以上と高くなっています。しかし、最近発生した『新潟県中越地震』や『福岡県西方沖地震』は大型地震の発生確率が3%以下の地域であるということからも、日本はどこであっても被害を伴う地震が発生する可能性があると考えておいた方がよいでしょう。大型地震発生の確率が3%未満の地域だからといって安心していてはいけません」と語る。

 「地震に関する備えの一つである、地震保険の認知度はまだまだ低いのが現状です。地震保険は政府と損害保険会社が共同で運用している公共性の高い保険であり、利潤を追求したものではないという点が、他の保険との最大の違いだといえます。現在、財務省内閣府でも地震保険の広報や普及に力を入れていますが、地震により発生した火事は火災保険では補償できないということや、噴火や津波による損害の補償にも、地震保険の加入が必要だということを知らない人はまだ多いので、日本損害保険協会でも、8月29日から9月25日までの約1カ月間、テレビやラジオなどで地震保険の正しい知識を伝えていくキャンペーン活動を展開しています」(鈴木氏)。

 1991年当時、300万件にとどまっていた地震保険の契約件数は、1995年の阪神・淡路大震災以降、大地震発生時の被害が危惧されている人口密集地域を中心に上昇傾向にあるという。「現在、地震保険の契約件数は930万件を突破しています。地震保険は、火災保険に付帯させる形での加入となりますが、その付帯率は2005年3月末現在で37.4%、つまり、火災保険者加入者10人のうち、およそ4人が地震保険に加入していることになります。契約件数だけで見れば、東京や神奈川、愛知などの大都市の伸びが良いように思いますが、より正確な普及率を知るには、付帯率に注目した方がよいでしょう。火災保険加入者の付帯率が最も高いのは高知県、契約件数の上昇率では三重県がトップであり、地震保険の普及は太平洋沿岸地域を中心に進んでいることが分かります」(鈴木氏)。

参考:日本損害保険協会『数字で見る地震保険』講演資料

 鈴木氏の講演後は、各パーソナリティの地震に対する知識を高めるべく、防災情報機構会長(元NHK解説委員)の伊藤和明氏をコメンテイターに迎え、「防災Quiz みんなで憶えよう! 防災の基礎知識」が催された。

SN新潟放送 パーソナリティ鍵冨徹氏

 7月に関東地方で震度5強、8月には宮城県で震度6弱の地震が発生するなど、ここ数カ月の間に、日本は“地震の国”である、と何度も再認識させられた。フォーラムに参加していた、BSN新潟放送パーソナリティの鍵冨徹氏は、昨年の新潟県中越地震を振り返り、「災害時、ラジオからの情報収集はいかに重要であるかを思い知りました。

 新潟放送では、災害発生時の対応マニュアルがあり、パーソナリティはその内容を暗記しています。中越地震発生時に番組を担当していたパーソナリティは、冷静に情報を発信するとともに、リスナーに落ち着いて対応するよう呼び掛けていました。中越地震によって、ラジオの必要性は大きく見直されたといえます。安否情報の確認であったり、リスナーが復興の情報をラジオ局に送ってくれたり、ラジオは被災者と密接なメディアだとあらためて実感しました」と語った。

 大地震の発生時に頼りになるのがラジオであり、復興時の経済的な支えとなるのが地震保険だといえる。いざという時に備え、両者の必要性について考えてみる、いい機会となった。

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