日本は世界でもトップクラスの長寿大国である。しかし、ただ長生きをすれば幸せというわけではない。できれば寝たきり、認知症を避けて、生活の質、すなわちクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の高い人生を過ごしたい。
そうした思いに応えるように、世間では脳を健康で長持ちさせるさまざまなアプローチが紹介されている。適度な運動、脳の体操、そして健康食品もそのひとつ。今回は近年話題の健康食品を取り上げ、脳の健康を考えたい。
取材・文/伊藤左知子
2008年6月10日
健康寿命を伸ばすことが高齢化社会の課題
日本人の寿命は年々長くなっている。そこで問題になるのが健康寿命である。
健康寿命とは、健康に過ごせる人生の長さのことである。WHO(世界保健機関)によれば、2002年の我が国の健康寿命は男性72.3歳、女性77.7歳(なお、WHOは各国の健康寿命を2000年からしか公表していない)で、世界1位とされているが、さらに伸ばすことが可能だという。健康寿命の延長は、個人のQOL向上はもちろん、医療費抑制にもつながる。
東京海洋大学大学院教授 矢澤一良氏
近年、国は、がん検診の進歩と強化、「特定健診・保健指導」によるメタボ予防など、病気の予防と早期発見・早期治療に力を注いでいるが、「健康な状態とは体だけではなく、体、脳、心の三つが健康な状態である」と東京海洋大学大学院ヘルスフード科学講座教授の矢澤一良氏は話す。
健康寿命を延長するためには、知的食生活、知的生活習慣が大事であり、「6大栄養素だけでなく、ヘルスフードを取り入れることが求められる時代となるだろう」と続ける。
ヘルスフードとは、いわゆる健康食品のことだが、矢澤氏は、市場に無数に流通している健康食品すべてを指すわけではないという。
「エビデンス(科学的根拠)、セーフティー、メカニズムが揃っていなければ、我々はヘルスフードとは呼ばない。最低限でもエビデンス、セーフティーは必要だ」と語る。さらに、その中で脳をターゲットにしたものをブレインフードと命名し、高齢化社会に向けての必要性を唱えている。
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