人の名前が思い出せない、昨夜、食べた食事が思い出せない、電話番号などが昔のように暗記できなくなったなど、記憶力の低下は、年齢を重ねるとともに、気になる問題である。しかし、年のせいと諦めてはいけない。努力次第で脳は鍛えることができるのだ。加齢で衰えつつある脳を、活性化させるためには?!脳の若返りについて探ってみた。
取材・文/医療ライター 伊藤 左知子
2008年1月8日
「脳年齢 年金すでに もらえます」。
これは毎年恒例の「第一生命サラリーマン川柳コンクール」で昨年1位に選ばれた川柳。作者のペンネームが「満33歳」氏というところに苦笑する。脳は体と同様、加齢とともに衰える。それは自然の摂理だが、働き盛りの30~40代で、脳の加齢を実感するのは早過ぎる。
一方で、検定試験が近年ブームになっている。「英語検定」や「TOEIC」、「漢字検定」といったオーソドックスなものから、最近は「常識力検定」や「江戸文化歴史検定」、「タイガース検定」といったものもあるらしいが、これらの試験会場には高齢者の姿も少なくない。
70代から英語の勉強を再開して、「TOEIC」900点を突破したというツワモノの話も聞く。この差はいったいどこにあるのだろうか。
医療博士・作家 米山公啓氏
「脳は鍛えることができます」と話すのは、医師で作家の米山公啓氏。診療を続けながら、医療エッセイ、医学実用書から小説まで幅広く執筆活動を続け、近年はテレビなどにも出演しているマルチなドクターである。脳の活性化をテーマとして書籍も多数執筆している。
米山氏は「脳は使えばそれだけ活性化します。逆にいえば、使わなければ脳の老化は早くなります。それは高齢者に限らず、30歳代の働き世代でも同様です」と話す。脳細胞は、体の他の細胞と異なり、何もしなければ加齢とともに減少する一方だが、脳を使っている人は、脳細胞の減少速度も遅くなり、また脳細胞も多少だが増えることが、今の脳科学で解明されているという。
つまり70歳になってから、新たに勉強して成果を上げることは、健康であれば、誰にとっても不可能なことではないのだ。もちろん、「満33歳」さんでも!
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