クルマもIT機器もECO製品も…日本企業が直面する危機

財団法人日本エネルギー経済研究所 専務理事・首席研究員 十市 勉氏
2007年12月11日

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「産業のビタミン」欠乏症が日本を蝕む

 経済が緩やかな拡大を続け、過去最高益をクリアする企業が多いなかで、日本にとって懸念すべき動きがある。鉱物資源が軒並み価格を上げ、なかでも、レアメタルの安定確保に黄信号が点っていることだ。

 レアメタルは「産業のビタミン」とも呼ばれる。その理由は、IT機器や自動車など幅広い分野で利用されており、しかも必要不可欠な資源だからだ。ハイブリッド車の高性能モーターにはネオジウムと呼ばれるレアメタルが使用されている。液晶パネルの透明電極に使われているのはインジウムだ。自動車の排ガスを浄化する触媒にはプラチナやパラジウムが、また燃料電池にもプラチナが使われている。レアメタルなくして日本の戦略産業は成り立たないとも言える。

 携帯電話やハイブリッド車などの高性能な工業製品の生産に不可欠なレアメタルだが、需給は世界的に逼迫(ひっぱく)している。価格も急騰し、安定的な調達が困難になりつつあるものも少なくない。ハイテク、自動車、環境配慮製品は、日本のいわば「戦略産業」。そこで欠かせないレアメタルが確保できないとなると、日本にとって重要な産業の国際競争力が削がれることになる。

■微量の使用で大きな効果を生むレアメタル 日本の戦略産業を支えるレアメタル。IT機器や自動車をはじめ、ハイテク分野の製品には欠かせない貴重な資源だ(石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)資料をもとに作成)

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