第3回「危機管理産業展(RISCON TOKYO)2007」が、10月17~19日、開催された(東京ビッグサイト主催、東京都の特別協力)。今回のテーマは「東京から発信する」。本邦初のパトリオットミサイルの展示もあり、入場者数は7万6000人を超えた。「危機管理から日本の将来を語る」と題した初日の基調トークセッションでは、危機管理の第一人者である佐々淳行氏と国際ジャーナリストの手嶋龍一氏の対談を軸に、元陸上自衛隊北部方面総監の志方俊之氏を司会役として、日本の危機管理、インテリジェンス、日米同盟、北朝鮮問題などを巡る刺激的な討論が行われた。
なお、本記事は、危機管理産業展(RISCON TOKYO)2007において行われた基調トークセッションの内容に基づいて、日経BP社が独自に抜粋、編集したものである。
文/吉村克己、写真/小久保松直
2007年11月26日
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志方
現在、日本が置かれている危機的状況は深刻です。いつミサイルが本土に飛んでくるかもしれない。そのような状況にもかかわらず危機管理の議論は建前が多い。本日はインテリジェンスの中枢にいた佐々さんと、外交・安全保障問題の最前線をレポートされてきた手嶋さんに本音で語り合っていただきたいと思います。
佐々
石原慎太郎東京都知事の肝いりで始まった危機管理産業展は今年で3回目を迎えました。最初は防犯・防災グッズ展示会だったのですが、次第に危機管理本来の趣旨に近づき、今年はそれにふさわしい機器類も展示されています。
また、都民を守るという石原都知事の決断によって、ペトリオットミサイルの配備を東京都が受け入れてくれたことの証として、今回、国内で初めてペトリオットの展示が行われています。
外交ジャーナリスト・作家 手嶋龍一氏
手嶋
わたしは米国が9.11のテロに見舞われたとき、NHKのワシントン支局長を務めていました。当時、さまざまな未確認情報が飛び込んで来て、議会やホワイトハウスが攻撃対象になっているとか、攻撃されたとか、情報が錯綜する危機の11日間を過ごしました。
テロリストに対抗するためにジャーナリストは何をするべきか、米国当局はどうするか、世界はどうか、だれも解答を持っていませんでした。文字通り、闇の中を手探りで進む状態の中で、わたしはあることを思い出しました。
実は、ちょうど数日前に佐々さんとワシントンで食事していたのです。まだ、ここにいるに違いないと、車でホテルに駆けつけ、佐々さんの身柄を拘束しました(笑い)。
そのままスタジオにお連れして、話を聞いたのですが、危機管理やインテリジェンスとは何か初めて分かった気がしました。基本的なことは教科書に書いてありますが、やはり豊富な経験の中で鍛えられた人でないと、危機下で先を読むことはできないと実感したのです。
インテリジェンスとは膨大な情報の中から、宝物を拾い出して、意味を読み解き、何がこれから起きるのか判断する作業です。
しかし、そこで止まってはいけません。最終的なインテリジェンスレポートは国家のかじ取りを行う人に渡され、そこで高度な判断や行動に利用されなければならないのです。
本日はこうしたことを踏まえて、東アジアというダイナミックに変化する地域の中で、日本が生き残るにはどうしたらいいのか議論したいと思います。
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