コンピューターネットワークを基盤にビジネスが成り立っている現在、企業は常にサイバー犯罪の脅威にさらされており、対策が不可欠だ。それにはまずサイバー犯罪の現状をつぶさに知ることが前提となる。
警察庁生活安全局情報技術犯罪対策課理事官の河原淳平氏にサイバー犯罪の最近の動向や対策の立て方などについて聞いた。
文/日高 俊明、写真/佐々木 辰夫
2007年6月13日
サイバー犯罪とは何か。「コンピューター技術および電気通信技術を悪用した犯罪」というのがその定義である。警察庁ではさらにこれを三つに分類している。「ネットワーク利用犯罪」「コンピューター、電磁的記録を対象とした犯罪」「不正アクセス禁止法違反」――である。それぞれ、内容は以下のとおりだ。
●ネットワーク利用犯罪 ・ インターネットなどを利用した猥褻画像、児童ポルノの販売、頒布
- インターネットなどを利用した覚せい剤などの薬物、拳銃、偽ブランド品および海賊版などの違法な物品の販売
- 電子メールや電子掲示板を利用した脅迫、名誉毀損などの行為
- インターネットなどを利用したねずみ講、賭博、富くじなどの勧誘
●コンピューター、電磁的記録を対象とした犯罪 ・ コンピューターシステムの機能を阻害する犯罪
- コンピューターシステムを不正に使用する犯罪
●不正アクセス禁止法違反 ・ 他人のプロバイダー接続用IDやパスワードを勝手に使用して電話回線を通じて認証サーバーにアクセスする行為
- セキュリティホールについて、アクセス制御されているWebサーバーなどに不正にアクセスする行為
- 他人のIDやパスワードを電子掲示板などで公開する行為
こうしたサイバー犯罪は増加の一途をたどっている。警察庁が過去5年間に検挙したサイバー犯罪の件数を見ると、2001年(平成13年)には1339件だったのが2002年には1606件、2003年には1849件と年々増加し、2006年(平成18年)には4425件と、5年間で約3.3倍になっている(図1)。
この背景にあるのはインターネット利用人口の増加。総務省の「通信利用動向調査」によると、インターネット利用人口は2001年には5593万人(人口普及率44.0%)だった。それが2005年には、8529万人(同66.8%)と約1.5倍に増加している(図2)。そしてサイバー犯罪の注目すべき点は、このインターネット利用人口の増加に対して2倍以上のペースで検挙件数が増加していることだ。
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