能登地震で改めて注目、地震空白域とBCP

地震空白域でもBCP策定は同じ

 今回の地震が空白域で起こったことも教訓とすべきだろう。この地域が地震空白域であることを理由に工場などの生産設備を建設した企業があるかどうかは分からないが、日本という地震国家ではそうした考え方は通用しない。

 宮本氏もこう指摘する。

 「今の日本では“絶対安心”と言える場所はないということだと思います。ただし、費用対効果を考えると、企業が大地震に対して完璧な対策を立てるのは難しいでしょうから、『震度6弱は余裕を持ってクリアできる』『震度6強では多少の被害は出るが、人命や中核となる事業は守る』ことをBCPの方針にすることになると思います」。(「震度6強ならどうする ―― 企業は明確なコンセプトを」参照)

 BCP(事業継続計画=Business Continuity Plan)とは大地震や台風などの自然災害、テロなど突発的な危機が起きても、企業が事業を継続するか、あるいは短期間で復旧できるよう事前に行動計画を策定することだ。現在、テロが激化する中で、BCPは世界の企業の注目を浴びている。

 地震空白域であろうと、企業は、地震の可能性を想定し、他の地域と同じように大地震も含めたBCPを策定しておく必要がある。

 宮本氏は震度と建物被害の関係をこう解説する。

・5弱: 被害はほとんどない
・5強: 耐震性のない古い建物で被害が出ることがある(めったにないが)
・6弱: 耐震性のない古い建物で全壊するものが出る
・6強: かなりの被害が出る

 七尾市は震度6強の割には建物被害が少なかったが、決して油断するべきではない。宮本氏は企業がBCPを策定する場合、震度6弱では余力を持って業務復旧でき、6強では被害が出たとしても、社員の命と中核事業だけは死守することを目標にすべきだという。

 宮本氏によれば、一般的に企業の目標復旧時間は首都直下型地震で、中核事業は4日目、本格復旧は1週間だ。ただし、企業の復旧には地域や周辺インフラの復興が不可欠であり、電力や水、交通などの復旧が遅れれば企業も事業復旧は難しい。したがって「初期段階において、企業は地域の復興に積極的に支援するべき」と宮本氏は言う。

 また、今回の地震のように震度5弱や震度4もの余震が多く続く場合は、「事業再開は余震がおさまって、社員が家族に対する安全対策を確保してから行うことを想定してBCPを立てることになります」と宮本氏。

 大地震では余震も想定したBCPを策定するべきだろう。

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