特集:
日々のデータを守るハードディスク保全術
文/平 雅彦(WINDY Co.)
2007年1月10日
ハードディスクそのもののデータは守れないか
前回は、ハードディスク内のデータをいかにバックアップするかをお伝えした。しかし、バックアップというものはもっとも頻繁に行っても、毎日の仕事が終わったときや寝る前など1日1回程度が限界だろう。それ以上頻繁にバックアップしようとしても、バックアップに時間がかかってしまい業務に支障が出てしまったりと、本末転倒な結果になりかねない。しかし、状況にもよるが仕事で使っていれば1日に増えるデータはかなり多いことだってある。そんなデータを不慮の事故でなるべく失わないようにするには、ハードディスクそのものを保全すればいいのだ。
アクセス速度の高速化とデフラグ
データの保全とはやや話が脱線するが、パソコンを使用する上で常につきまとうのがパソコンの速度の問題だ。実際のところCPUの速度競争やメモリーの高速化と大容量化によって、パソコンは著しく高速化されてきた。しかし、Windowsを初めとする現在のOSの多くは、搭載されている物理メモリーの限界を超えた仮想メモリー空間を扱うために、スワップファイルというデータをハードディスク上に作成する。このスワップファイルは設定にもよるが、搭載された物理メモリー量と同等以上の場合もあり、数GBのデータが作成されることもある。
OSは、この使用していないアプリケーションのデータをスワップファイルに書き出し、物理メモリーは使用しているアプリケーションのみが使用することで、1度に大量のアプリケーションを開いてもメモリー不足に陥らないようにしている。つまり、メモリーがいかに速くても、スワップ先であるハードディスクはメモリーよりも遅いため、ここがボトルネックになってしまうことがよく起る。現在、システム全体のパフォーマンスを上げるのは、CPUではなくハードディスクの速度であるという事態も少なくはないのだ。
このディスクアクセスを高速化するのに有効なのがディスクの「デフラグ」だ。ハードディスクはあるデータが書き込まれると、当然次のデータはそのデータの次の場所に書き込まれる。このように順番にデータは書き込まれるわけだが、前のデータが削除されるとそこが虫食いのように利用できるエリアになる。これを繰り返していくと、ディスク上には使っている部分と使っていない部分が入り乱れた状態になっていく。次に大きなデータが書き込まれた場合、その虫食いの場所にデータを書き込み、書ききれないデータは次の虫食いへ、と1つのデータが細切れになって記録されてしまう。これがいわゆる「フラグメンテーション」(fragmentation:断片化)と言われる状態だ。
こういった状態になると、たとえひとつのデータにアクセスする場合でもディスク上のあちこちからデータを拾い集める必要が発生するために、余計な時間がかかってしまう。これを解消するために、散らばったデータをひとつの場所にまとめる作業が「デフラグ」(de-fragment:非断片化)である。長期間使い続けたパソコン(ハードディスク)では、デフラグするだけで速度の向上が体感できる場合もある。
このデフラグ機能は、Windowsには標準搭載されている。せっかくの標準機能なのだから使っておこう。使い方は簡単だ。ドライブアイコンを右クリックして、プロパティの[ツール]タブで[最適化する]ボタンを押せばいい。「ディスクデフラグツール」が起動し、最適化が必要だと判断すれば「このボリュームを最適化してください」というメッセージが表示される(WindowsXPの場合。以下同)。あとは「最適化」ボタンを押すだけ。必要ないと判断されても、手動で最適化することもできる。ただ、ディスクの空き容量があまりにも少ないと警告メッセージが表示される。ディスクの断片化を解消するための作業なのだから、不要なファイルは消してから行うようにしよう。
ハードディスクの容量が大きく、長期間使い込んでいると、最適化にはかなりの時間がかかる。昼休みや帰宅時など、しばらくパソコンを使わないとわかっているときに仕掛けて出かけるのがいい。ちなみに、デフラグは途中で止めることもできるので、緊急時には[停止]ボタンで止めればいい。ただし急に電源を落とすなど、正規の手順でデフラグを停止しないとハードディスクに致命的なダメージを与える可能性もある。危険な作業をしているという意識は持つべきだろう。
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